認知症にならないための 決定的予防法㉛
多くの人が老化と健忘を関連づけていることを考えれば、おそらく、FACIT試験から
得られた最も重要な結果は、遅延記憶の想起(15単語の学習テスト)の結果でしょう。
3年間、800μgの葉酸サプリメントを摂取したあとでは、被験者は6歳から9歳若い人と
同じくらい、記憶の機能を向上させました。
多くの患者から、葉酸サプリメントをとる必要があるかどうか質問されるので、
私はこう答えています。
「野菜をたっぷり食べているのであれば、おそらく体内に充分な葉酸があるでしょう」。
しかし、医学研究所(IOM)によると、体は食品葉酸の50%程度しか吸収しないのにくらべ、
ビタミンのサプリメントに含まれる葉酸はほぼ100%吸収します。また、動物性タンパク質が多く、
果物や葉もの野菜の少ない食事をとっている人であれば、葉酸の値が低く、血清ホモシステイン値が
高い可能性があります。
そのうえ、質の悪い食事やさまざまな投薬による影響から、多くの高齢者では葉酸の値が
低くなっており、それが高い血清ホモシステイン値や認知機能の低下と相関している可能性が
あります。
葉酸の不足は、精神的疲労全般から、若年性認知症、うつ病、手足の神経系の障害、興奮性、
物忘れ、錯乱、不眠など、多種多様な神経系の障害にまで結びついているのです。
いずれも、高齢者にも共通する問題です。
<葉酸を多く含む食品>
アスパラガス、豆(ヒヨコ豆、タートル豆、インゲン豆、ライ豆、柑橘類、
卵、葉酸を強化した穀類、葉もの野菜(ほうれん草など)、いちご、
未成熟のまま食べる豆果[サヤエンドウなど]、メロン、
栄養イースト[絶対菜食主義者がよく利用]
プログラムを行動へ
アルツハイマー予防食を始める
アルツハイマー予防食は三つの基本を守るだけの簡素なものにします。
その1—-キッチンの徹底的検査をしましょう。
やたらに加工された食品、ナトリウムの多い食品(塩、グルタミン酸ナトリウム)、体に悪い脂質、
砂糖、精白小麦粉を多く含む食品すべて片づけます。
これについては、130ページで詳しく説明します。
その2—買い物にでかけましょう。
冷蔵庫と戸棚を黄金の十二食品(143ページ)でいっぱいにし、本章で推奨するそのほかの食品や、
382ページの買い物リストにある食品を詰めましょう。
これらの脳を活性化する食品は、きちんとした比率で食べれば、インスリンの値を安定させ、
有害なフリーラジカルの発生を防ぐことが証明されています。
その3—調和のとれた食事方法(三分の一ずつの比率規則)を守りましょう。
よい脂質、リーンタンパク質、複合炭水化物からそれぞれ1/3ずつカロリーを摂取するように
配分しましょう。
この続きは、次回に。