認知症にならないための 決定的予防法㊷
注意—ここは勇気のある方のみお読みください!
はっきりともうしあげましょう!
最新の研究結果によると、私たちの体は85歳までに除脂肪体重の半分が失われることになります。
ボルティモア加齢横断研究をはじめ、いくつかの定評ある研究では、30歳から50歳のあいだに
除脂肪体重は10%減り、50歳から70歳までに25%、80歳までに40%、そして85歳ではなんと
50%が失われてしまいます。
同時に、脂肪が蓄積し筋肉内の結合組織が増えるので、筋肉は締まりも柔軟性もなくなります。
さらに、代謝率(カロリーを燃焼してスリムな体でいるために、代謝率は高い値を維持したい
ものですが)は、45歳以降10年ごとに徐々に減り、同じ食事をつづければ、体重も増えることに
なります。こうした状況は逆転させられるのです!
筋肉を強化することで、脳も強化されます。
強靭な体を保つことで、冴えた頭と健康を維持できるのです。
これは格言ではなく、自分で証明できる立証された医学的事実なのです。
今日から、それを始めれば————。
われわれはみずからの最大の敵
実際には、ホルモンと神経伝達物質に変化と不均衡が生じるだけではありません。
こうしたマイナスの変化とともに、われわれはみずからの最大の敵にもなっています。
たとえば、活動のレベルを考えてみてください。
年をとるにつれて、われわれの全般的な活動のレベル—つまり運動や身体的活動に
従事する度合い—は減り、その結果、<体調が崩れて>きます。
そのうえ、下肢や肩の関節を怪我する割合は、活動レベルが下がっているにもかかわらず、
50歳から70歳のあいだら6倍も多くなるのです。
それはつまり、体を動かす活動などほとんどしなくても、怪我をしうるということです。
また—これは非常に重要な点です—-社会的、娯楽的活動の多くは、ストレスを減らすために
必要な運動の一環となっていますが、こうした活動もこの期間に50%も減ってしまうのです
(社会的な強い絆をもつことの重要性について、6章で詳述します)
脳を鍛えるために筋肉を鍛える—流れを逆行させる
では、体がこのように衰えるのはあらかじめ定められている、運命なのでしようか?
あるいは、こうした流れを逆行させるために、何かできることがあるのでしようか?
実際には、運動すれば、若々しく見えるだけでなく、頭も冴えてくるのです。
いまからお伝えすることを裏づける証拠は、どんどん増えています。
すなわち、<適度な身体的活動は、老化の過程で認知機能を維持するうえで役立つ>のです。
生活習慣が認知機能やアルツハイマー病におよぼす影響を調べた、15の観察研究をまとめた
最近の総説に、次のような所見が書かれています。
⚪️ 身体的活動とアルツハイマー病との関連は、9つの研究のうち6つで報告されていた。
⚪️ 身体的活動をしていない人を対象とした7つの研究のうち、6つにおいて、
認知機能低下の高いリスク、もしくは認知能力の乏しさが観察された。
⚪️ 有酸素運動、無酸素運動、および日々の活動を含む身体的活動は、7つの研究のうち
6つにおいて、認知機能の向上と関係していた。
同様の内容を裏づける研究結果は、老化によって肉体—および精神—が衰えるのを食い止め、
若返らせるために、現在われわれが知っている最善の方法だということです。
この続きは、次回に。