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認知症にならないための 決定的予防法-68

休息と回復によってアルツハイマーを防ぐ

 

 

自分の静かな世界を見出す

 

休息と回復はどちらも、体のホルモンの交響楽団でバランスをとるうえで欠かせないものです。

休息というのは、毎晩ぐっすりと眠り、体がくつろげるように心がけ、7時間から8時間の

睡眠がとれるように、早めに就寝することを意味しています。

回復というのは、アドレナリンの交感神経系の働きが弱まり、くつろぎの迷走神経系が

活発になっている状態に体を保つ能力のことを意味します。

回復するためには、多くの手段が利用できます。

たとえば、弛緩反応、腹式の深呼吸、音楽を聴く、瞑想、祈り、ヨガ、数珠を使いながら

ロザリオの祈りを唱えることなどです。

これらのくつろぎの療法はいずれも、脳の楽観的な中枢である左の前頭前野を刺激します。

回復期には、血圧と脈拍が下がり、肌は温かくなり、筋肉が弛緩します。

1日を通して何度もリラクセーション療法を利用してくつろぐことで、ドーパミンとセロトニンの

値が上がり、それによってより深く長く眠れるようになります。

リラクセーション療法の効果は、24時間つづけて覚醒した状態を保ち、通常に活動を

つづけられる仏教の僧侶で繰り返し確かめられてきました。

研究者らは、鍛錬することで(毎日、頻繁に瞑想しつづけることで)、脳の楽観的な中枢への

この回路が前頭葉のあらゆる領域に広がれば、より簡単に活性化させることができると考えました。

瞑想することで、脳の悲観的な中枢は抑制されるので、否定的な考えは消えていきます。

だからこそ、信心深い人や、日々瞑想する人は、アルツハイマー病を発症する確率が

低くなるだけでなく、心臓血管より健康になるのだと私は考えます。

こうした人びとは、パニックになることもアドレナリンも少なく、その結果、体も脳も

インスリンの値が低いのです。

体内のドーパミンとセロトニンの値が高ければ、ぐずぐずと先延ばしにすることがなく、

私たちの警戒反応を左右する内心の葛藤にけりをつけられます。

自制心を保ち、よい気分でいられれば、心穏やかに休み、熟睡することができます。

癖になる食べ物へ逃避することも、炭水化物をやたらに食べ、暴飲することもなく、

人工的に興奮を鎮めたり、ドーパミンの経路を刺激したりすることで、かえって、

セロトニンとドーパミンを枯渇させる薬に頼ることもなくなります。

 

プログラムを行動に移す

 

 

休息と回復を増す戦略

 

 

休息し回復してきて、情動面を再び制御できるようになってきたら、以下の提案を参考に

<自分の静かな世界を見つける>ようにしてください。

 

1 ストレス要因を見極め、排除する

 

 

ストレス要因を減らすためには、まず自分の人生のなかで、主たるストレス要因となるもの、

つまりお金や人間関係の問題、深い悲しみ、締め切りなどを見極めなければなりません。

一人ではそのストレス要因を解決できなければ、どうにも処理できないと思われる問題に

関しては、専門家の助けを借りてください。また、あまりにも多くの責務をかかえて、

能力の限界を超えていると感じる前に、断るのをためらわないでください。

代わりに、こう答えましょう。「その件は、考えさせてください」。

あるいは、こう言いましょう。「またご連絡します」。

とくに子育てや、ボランティア活動と並行して仕事をつづけているのであれば、人間として

重要なものを優先させることに罪悪感を覚えるべきではありません。

毎週、やるべきことを見直す時間をつくり、最も重要なことだけをおこない、残りの仕事は

断りましょう。断ることで、それが適切であれば、ストレスを管理できるレベルにまで下げられ、

自分の人生をいくらか思いどおりの方向に変えられるようになります。

適度でよいということに気づいてください。

人生の圧力釜が爆発しかけたら、自分が<一人の人間>であることを思いだしてください。

できる限りのことはするし、適度にもなれますが、自分がただの人間であることに気づき、

それを受け入れることも大切です。

 

 

この続きは、次回に。

 

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