認知症にならないための 決定的予防法-70
6 瞑想を学ぶ
脳のスキャン画像から、精神的に非常に活発な状態である瞑想は、ノンレム睡眠とどこか
似たような脳の状況を生み出すことがわかっています(多くの専門家は、ノンレム睡眠が
精神的により回復をもたらす睡眠の段階であると考えています)。
このようなことが起こるのは、瞑想中は大脳皮質の多くのニューロンが、調和した状態で
活動するからだと考えられています。
睡眠とは異なり、瞑想では意識は完全に保たれているので、目が覚めてから頭がふらふら
することはありません。そのうえ、医療雑誌『ハイパーテンション』で報告されたように、
瞑想はどんなリラクセーション療法よりも血圧を下げる効果があることがわかっています。
瞑想することで、一つの考えや言葉あるいは祈りに、一定の期間、気持ちを集中させられる
のかもしれません。
すでに起きたことや、これからに起こるかもしれないことに邪魔されることなく、いまこの瞬間に
おきている事柄に完全に注意は傾けられています。
こうすることで弛緩反応が起こります。
すなわち、心拍数や血圧、呼吸数、筋肉の緊張などを減らすのに役立つ生理的な状態です。
瞑想はコルチゾールやアドレナリンのような、闘争・逃走反応のさなかに放出されたホルモンも
減らします。
瞑想は否定的な考え方や、忙しない心の動揺を超えて人を導き、不安などの胸騒ぎを起こす
感情から離れさせてくれます。
いったん効果的に瞑想する方法を学べば、このくつろいだ状態に思いどおりに気分を
切り替えられるようになります。
ストレスによって圧倒されていると感じる前にです。
瞑想の仕方
以下に、二つの瞑想のタイプをあげます。
一つは受動的、もしくは集中的な瞑想で、もう一方は能動的、もしくはプロセス的瞑想です。
前者は心を静めるもので、後者は楽観的なプロセスを操作するものです。
毎日、15分から20分間を費やして、効果を試してみてください。
1 静かな部屋で、座り心地のよい椅子に腰掛けてください。
気を散らすものが何もないように注意してください。
瞑想を始めるときは、目を閉じてください。
2 集中的な瞑想では、語句、音、言い回し、祈りを繰り返すことに専念 し、
これを無言で、またはつぶやきながらおこないます。
別の方法としては、息が体のなかに入ってはでていく、その感覚に注意を傾けます。
3 注意がそれた(自然に起こるものです)と気づくたびに、自分を非難せず、
またそっと注意を戻してください。
これを練習しつづけることで、正しく瞑想する方法を学べるようになります。
4 プロセス的瞑想では、心を解放する内なる声に耳を傾け、その日に起きたよいことに
目を向けて、不快な出来事は忘れるようにします。
内なる声に耳をすますことで、将来を計画し、優先順位をつけられるようになる人もいます。
この続きは、次回に。