認知症にならないための 決定的予防法-78
・ エリザベスをよく知っている人はいるのか?
残念ながら、エリザベスのことは誰もよく知らなかったのです。また、彼女の頭のなかで
本当は何が起きているのか、誰も知りたくはなかったのです。
家族がエリザベスの精神的な問題に理解を示さなかったため、診断が遅れ、効果的な治療が
できる時機を逸してしまったのです。
アルツハイマー病については、家族と心を開いて話し合うよう心がけてください。
あなたも、ご家族も決してこの病気にならないことが私の願いです。
しかし、万一、ご自分や配偶者にアルツハイマーの初期兆候が見られると気づいたことを
伝えてもらいましょう。
早いうちに診断され、適切な治療が施されれば、初期のアルツハイマー病をわずらっている人の
多くは、意味のある人生を歩みつづけることができます。
・ 診断を下す—医師がしなければならないこと
アルツハイマーの正確な診断を下すに当たっては、どんな医師もきわめて周到でなければなりません。
新しい患者を診るたびに、私が実践している関連手続きは以下のとおりです。
◉ 患者の病歴と家族歴を調べる。
アルツハイマーの場合、患者をよく知っていて、最近の精神状態を知っている人に
同行してもらわなければなりません。
突然の悪化だけではなく、ゆっくりと進行する変化を知ることが医師によって重要であり、
それによってどんな検査をし、どんな治療をすべきか決めることになります。
おこなうべき検査は、MMSE(ミニ・メンタル・ステート検査)と時計描画検査です。
◉ 生命兆候[バイタルサン]を記録する。
医師は体温、脈拍か心拍数、血圧、呼吸数を測って、最も基本的な身体機能を調べます。
この続きは、次回に。