認知症にならないための 決定的予防法-83
謝辞
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訳者あとがき
現在、日本では約220万人が認知症をわずらっており、そのうち半数がアルツハイマー型だろうと
言われています。若年性アルツハイマーなどもあるので、単純な比較はできませんが、
2898万人という日本の高齢者人口とくらべてみると、認知症患者数はその8%弱に相当する。
ところがアメリカでは2008年の時点で、アルツハイマー病だけでも65歳以上の10人に1人が
冒されており、85歳以上で見るとその割合は実に50%にもなり、患者の総数は450万人と
推定されています。
平均寿命が延び、アルツハイマー病と診断される人が増えた、といった理由だけではこの増加は
説明がつきそうにありません。
なぜアルツハイマー患者はこれほど増えているのでしょうか?
増加を食い止める方法はないのでしょうか?
この問題を探求しつづけたアルツハイマーの専門医がたどりついた答えが、本書『認知症に
ならないための決定的予防法』(原題 The Anti-Alzheimer’s Prescription)なのです。
著者のドクター・ヴィンセント・フォーテネイスは、神経学、精神医学、リハビリテーション医学を学び、
30余年にわたって、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世をはじめとする、何千人もの患者の治療に
当たってきた現役の臨床医です。
膨大な研究費が投じられているにもかかわらず、アルツハイマーの特効薬はいまだに見つかりません。
それでも、予防することや、発症する時期を遅らせることは不可能ではない、と彼は読者に訴えます。
アルツハイマー病の危険因子と考えられているものには、遺伝や心臓発作の前歴など、もはや
変えられない要因もあります。しかし、それ以外にもメタボリック・シンドローム、肥満、
運動不足、慢性ストレス、睡眠不足など、現代人には耳の痛い問題があり、これらはいずれも
努力すれば改善できる要因だ、ドクター・フォーテネイスは考えました。
アメリカ式のファーストフードが生活習慣病につながる、というのはすでに常識となり、
動物性脂質や糖分の多い食べ物が健康に悪いことは一般に知られています。
しかし、精製され単炭水化物についてはどうでしょうか?
一万年前の「人類が食べていたのは、脂質、タンパク質、野草、ベリー類だったのであり、
精製された糖や白パンではなかったのです」と、著者は指摘しています。
アメリカの食べ物は体に悪いから、日本人は白米を食べるのがいちばん、などと単純に考えては
いけないようです。
<アルツハイマー予防食>は、単なる減量ではなく、体を健康な状態に戻すことに主眼を置いたものであり、
原則さえわかれば、以外に簡単に実践できるのです。
ストレスが体に悪いことも、誰もがご存知でしょう。
しかし、ストレスのように目に見えないものが、体に実際どんな影響をおよぼしているのかは、
なかなか理解しにくいものです。
この続きは、次回に。