認知症はもう怖くない ㉚
「趣味」「料理」「他人の相談」も効果的というデータ
認知症にならない確率は、「趣味がある」人は「ない」人に比べて2.2倍、「料理している」人で3.3倍、
「他人の相談にのっている」で2.2倍となっています。
趣味についてはすでにご説明したとおりですが、この追跡調査での「料理」も、実は「頭を使う仕事」で
あることは疑う余地がありません。
料理を作るためには、段取り力をはじめとして、頭を使う場面が多々あるということです。
何品も作るのが大変なら、一品でもいいのでみずから作ることにチャレンジしてみましょう。
認知症発症リスクを抑える食習慣とは
一回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の
摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターンは、認知症発症のリスクを有意に低下させることが
示されました。
この研究結果から、一回の食事において米の摂取量を減らした分、大豆、野菜、および乳製品で
作られた食品を多く摂取する食事、つまり野菜類の摂取を心がけた食生活は、認知症の発症を
予防する可能性があると考えられます。
糖質の危険性については広く知られているとおりで、私たちが普段食べている白米は、まさしく
むき出しの糖質です。たしかに、白米は美味しいものです。
しかし、この食事傾向が認知症発症リスクを高めているとすれば、食習慣を変えることで、
認知症発症リスクを抑えられるのかもしれないのです。
認知症を予防するというと、どうしても「脳を鍛える」といった方向に行きがちですが、同時に体に
よくないとされることは「しない」というのも大切ではないでしょうか。
おわりに
「なりたくない病気は何?」と尋ねられて、「認知症」と答える人は少ないでしょう。
その理由は、認知症は患者さんひとりの問題ではなく、介護をする家族の問題でもあるからです。
「配偶者や子供に迷惑をかけたくない」という思いから、そのような答えが導き出されるのでしょう。
私は、認知症に関する研究過程で「DLホスファチジルコリン」と「POホスファチジルコリン」に
認知機能改善作用があることを発見しました。
この二種類のホスファチジルコリンを摂取すれば脳の情報伝達機能を劇的に高めることができ、
脳の衰えを防ぐことはもちろん、知力や学力を高めることも期待できます。それは認知症の方のみならず、
健康な方にも同様です。いまや、」「DL/POホスファチジルコリン」は、脳を甦られる、認知症に
対する救世主になりつつあるのです。そして、その先には「DCP-LA」という新薬の存在も控えています。
この新薬が承認されたあかつきには認知症はやっかいな病気ではなくなるでしょう。
この続きは、次回に。