ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本⑦
第2章 企業はどこに向かっているのか—–組織や企業の目的は何か
11 いったい「事業」とは何か?
—「環境・使命・卓越性」
● 「事業には三つの前提条件がある」
ビジネスマンは「自分たちはどういう事業を展開すべきか?」を理解しなくてはいけない。
事業の成功には三つの前提がある。
その前提をクリアして、事業を成功させなければならない。
1 環境(社会の動きなど)—市場、トレンドなどについて考える
2 使命(何が最大の使命か)—-世の中の流れと企業の使命の整合性
3 卓越性(強み)—他社がまねできない能力
「必要条件」と「十分条件」が整ったら「われわれの事業は何か」を考える。
そのうえで目標を立て戦略を練る。
「自社の卓越性」を意識し事業を実行する。
「実行の結果」が出たら、「期待した成果」とくらべる。
「前提」は何か?
つねに「環境」「使命」「卓越性」を考えてみるのだ。(細かい説明は後述する)。
こうした一連のながれが生産性を高める。
●「顧客に財とサービスを提供すること」
われわれの事業は何をすべきか?
ドラッカーは「それはみんなわかりきっている。
鉄道会社、製鉄会社、保険会社など、何をすべきかなんて、みな知っている。
ところが企業はつまずき挫折や失敗する」という。ドラッカーは繰り返す。
「顧客からはじめよ」と。
● 何を行い、何をやめるか?
市場、製品、技術、研究、製品開発、財務など、それぞれにおいて、「何をやるべきか?」や
「続けるべきか?」「何をやめるべきか?」「行わないか?」を決めることで成否がわかれる。
「事業は何か? 何をすべきか?」。
その答えを意識しておく。
この姿勢がないと経営は「まちがった方向に努力していること」にすら気がつかない。
スタート地点は同じなのに成功する、しないの差はそこにある。
12 目標実現のための原動力
—すぐれた定義や洞察でも情熱がなくてはだめだ
●「目標を持ち集中すること」
「自分の企業がやるべきことを認識している」ことが先決。
次は集中して、情熱をかたむけ、実行することだ。
1 企業の使命に情熱をもって取り組めるか?
2 自分が「世界一(卓越性)」になれることは何か?
3 経済的原動力(環境や条件)は何か?
この三つに集中して、三つとも満たせるならば、それは「最適の事業」になる。
ドラッカーは「売り上げを拡大し過ぎることは企業の存続に危険だ」という。
目標とすべき市場の地位は「最大」ではなく「最適」なのだ。
● いかにして魅力のある企業になるか
「マーケティングの目標」、「イノベーションの目標」、「経済資源の目標」、「生産性の目標」、
「社会貢献の目標」などなど。
経済資源、環境というのは、ひらたくいえば土地や建物の物的資源、労働力や人材、資本や資金のことだ。
人材とは有能でやる気がある人間のことだ。
必要な人材をひきつけ、ひきとめるには「企業の魅力」が必要になる。
使命感、情熱、資金や資本などを投入し、「いかにして魅力のある企業になるか」という闘いでもある。
それぞれの目標のバランスをとらなくてはいけない。
さらに、「利益とのバランス」、「未来と現在とのバランス」がせ大切だ。
「バランスを意識しない経営は危険だ」
この続きは、次回に。