ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本㉑
41 「集客が先、販売はあと」
—ニーズは顧客にある
⚫️ 「ニーズは多様化する」
ニーズは「顧客」にある。昔の効率のいい顧客を相手にしていればよかった。
製品やサービスは、供給者が決めていた。
昔は本を町の書店で買っていた。いまは一番大きい書店はネットのアマゾンである。
営業の世界では「20対80の法則」いわゆる「パレートの法則」がある。
売上げの8割は2割の商品が稼いでいた。
実力商品が売上げを左右していた。
ところがアマゾンは、他店では売れ残るような弱小商品が全体の6割の売上げをあげている。
売上げの少ない本が長く売れていく。これを「ロングテール」というが、ネットならではの現象だ。
⚫️ 売りたいものが売れない
「自分の製品やサービスを中心に考えるな。供給者が提供するものを顧客は容易に買わない」(ドラッカー)
このルールを理解しなかったことが、大教会の衰退の原因だとドラッカーはいう。
いまや宗教に求められているのは「説教」ではない。
しかし、教会は説教をしたがる。人々が宗教に求めているのは「癒し」と「コミュニティ活動」だ。
日本でも「坐禅の会」や「懐石料理のパーティ」には人が集まる。
⚫️ 「集客が先、販売は後」
グーグルはトップページがシンプルだ。商品の広告がない。
トップページの役割は集客率を高めることだ。
「何を買いたいか」それは顧客が決めるものだ。
「とにかく人を集めろ。売ろうとしなくていい。数万人が動けば、顧客のニーズが生まれる」(ドラッカー)
42 市場の統一性が重要だ
—市場虫の多角化は成功しない
⚫️ 「企業の柔軟性を奪う既得権」
イノベーションには反対運動が起きがちだ。
反対者には「創造的破壊」ということが理解できない。
自分たちの利益が取り上げられ、既得権を奪われたと感じる。
いま成功しているやり方、伝統的サービスや製品、先行や既得している権利などを取りあげられると
おそれているのだ。視野が狭くなり、新しいニーズや市場が見えなくなっているのだ。
⚫️ 「GMは系列化で失敗した」
かつてGMはフォードやクライスラーに比べ、3割のコストの優位性を持っていた。
部品メーカーを買収し、指揮命令を徹底した系列化によって子会社を手足のごとく動かしたのだ。
「マネジメントとは指揮命令のことだ」と錯覚していた。
柔軟性を失ってGMは25年間の凋落にいたる。
⚫️ 「自由な関係をつくる」
柔軟性を認識し躍進していた企業がある。
米国のシアーズ・ローバックは英国のマーク&スペンサーと提携し「契約による系列化」を躍進した。
小売り業界のリーダーになる。
企画、開発、設計などをグループ化、企業買収はせず契約による「自由な関係」にとどめた。
きわめて柔軟である。
⚫️ 「多角化は成功しない」
「多角化はほとんどうまくいかない。基本的にいまやっていることを延長させていくと成功する。
シアーズ・ローバックは、ひとつの商品であるとして金融サービスに乗り出し、成功した。
しかし次に自動車の販売に進出して大失敗した。
顧客は子供靴とか冷蔵庫と同じ感覚で自動車は買わない。
多様化には市場の統一性が必要だ」(ドラッカー)
この続きは、次回に。