ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本㉗
第7章 公的機関と社会貢献—-–公に対するサービスこそ大事なことだ
52 公共サービスはいまや成長産業だ
—-役人や官僚のための公的組織ではない
⚫️ サービス部門は成長産業
非営利企業の組織でも「マネジメント」は効果をあげている。
政府機関、軍、学校、病院、研究所、労働組合、会計事務所、もろもろの団体などだ。
企業の中にも、非営利のサービス部門がある。
兼癸酉所や病院もある。現代は、企業社会というより多元社会だ。
こうしたサービス部門はマネジメント次第で成長産業になる。
たとえば「お客さま係」などの「苦情処理をまかされた部門」、「新製品開発チーム」、
「ストレスやうつ病に対する企業カウンセリング」などだ。
たいていコスト(収益の一部)でまかなわれている。
現代社会は、サービス部門は贅沢でもお飾りでもない。
むしろ現代社会の支柱である。
社会が機能するためにはサービス部門こそ成果をあげなければならない。
組織の質を高めるためにも重要だ。
⚫️ 中央政府や地方自治体もマネジメントせよ
公共機関は、企業のサービス部門に比べ、専門的なサービスを行っている。
公共機関もマネジメントするべきなのだ。
「貢献と成果をあげること」は十分可能だ。
企業のサービス部門も同じようにマネジメントできる。
ドラッカーは「公共機関は成長産業なのに成果があがっているとはいいがたい。
予算は膨らみ学校や病院は巨大化する。あらゆるところで危機に瀕している」という。
ドラッカーは「郵便や鉄道は巨大な補助金を受けているのに膨大な赤字だ。
中央政府、地方自治体の組織改革が必要だ。
あらゆる国で官僚主義がはびこっている」とも指摘している。
ドラッカーは「役人のためのマネジメントではなく、貢献と成果のためのマネジメントで
あるべきだ」という。
53 成果のあがらない予算型組織は廃棄を考えろ
—明日はないと思え
⚫️ 「成果がハッキリしない」というのは弁解だ
ドラッカーは「公共機関もマネジメントせよ」ときびしく言及している。
「公共機関は人材が少ないとか、成果や目的がハッキリしていないので費用かされにくい」などという。
ドラッカーは、「それは弁解だ」と切ってすてる。
「公的機関に欠けているのは、コスト意識ではない。成果をあげないことだ」
なすべきことをすればいいのだ。目的や成果がハッキリしないならハッキリさせればいい。
ギャップ分析やフィードバック分セラきでチェックすればいい。
⚫️ 「予算を獲得すること」を目的にするな
企業と公的機関の基本的なちがいは、運営資金の出所である。
企業は顧客が満足に応じて払ってくれる対価によって運営される。
サービス部門や公共機関は「予算」によって運営される。
企業内のカウンセリングや教育機関は労働機関は労働者が相手だ。
やはり予算で運営されている。公共機関もそうだ。
民間の病院は患者の数で成果がある程度わかるが保健所はわからない。
「予算」で決まるのだ。
予算型組織は、「成果をあげることが目的」ではなく、「予算を獲得することが目的」になっている。
予算型組織は、予算と人数を削られれば組織の存続があぶない。
成果をあげない組織に対してはそれこそ仕分けをして優先順位をつけ、廃棄か存続かを考える
べきである。
ドラッカーは「今行っていることが永遠に続くと思うな。近々、廃棄されると思え」と警告している。
この続きは、次回に。