ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本㉝
63 全員一致なら決定をやめる
—上手な意思決定
⚫️ 意思の決定の2タイプ
意思決定には「リーダー型」と「合意型」がある。
リーダー型では、答えを得ることに重点をおく。会議は、そのためのアプローチだ。欧米社会に多い。
合意型は、「合意(コンセンサス)」によって意思決定する。
問題そのものよりも、回答を得るためのプロセスを大事にする。日本に多い。
日米でライセンス契約の交渉をすると、アメリカは代表が一人で乗り込んでくるが、日本は
チームを送り込んでくる。
アメリカ人にとって、信じられないことだが、日本人にとってはこれが真剣な態度の表明だ。
もっとも日本人でも「合意(コンセンサス)」を得たあとは「しかるべき人間」に一任する。
⚫️ 「合意型のよいところ」
1 問題が明らかになる
2 反対意見が出やすくなる
3 複数の意見が出やすくなる
4 誰に一任するかを決める
5 意思決定に、方法論が含まれる
合意型では課題に対する大人数の見解からスタートし、決定されたことにまちがいが少ない。
⚫️ 「全員一致なら決定するな」(ドラッカー)
そもそも意思決定は全会一致で行われるようなものではない。
反対意見が激突し、代案を得ることもできるし、異なる意見を対話させて、まちがいや不完全に
気づくこともできるのだ。
躍進時代のGMの社長スローン氏は、会議で必ず「この議題について反対意見はありますか」と聞いた。
反対意見が一つも出ないときは決定を先送りした。
「正しい決定は相反する意見や異なる視点の衝突から生まれる。
全員の意見が一致した場合は決定すべきでない」(ドラッカー)
64 意思決定に時間をかける
—何が重要か深く考える
⚫️ 「時間がかかるのは当然だ」
成果をあげるための意思決定にはコツがある。
1 重要なことに集中する。
個々の問題より根本的な問題を考えなくてはならない。
解決できる問題は集中しなくてはならない。
原因をシラミつぶしに検討することはむずかしい。
2 形にとらわれずインパクトを重視する
「正しい妥協」と「まちがった妥協」を見わけなければならない。
賢くあろうとせず、健全であることが大切だ。
3 決定に時間がかかるのは当然
決定を急いではいけない。
十分に検討された決定のあとのアクションプログラム(工程表)の作成は早い。
そして実行も早くなる。
⚫️ いつ「見直す」かを考える
意思決定では何が必要条件かを知ることが大事だ。
「何を満足させたいか」「決定の目的は何か」「最低の目標は何か」をハッキリさせることである。
必要条件を見極めることは、かんたんなことではない。
まちがった目的なら、容易に達成されるかもしれない。
危険な決定やまちがった決定を、いつ見直すかを決めることが必要だ。
◽️ 意思決定のコツ
1 重要なことに集中すべき—-選択と集中
2 形式や前例にとらわれてはいけない—妥協はしようがない、正しい妥協をしなさい。
3 アクションプログラム(工程表)は早く作れ
〝喧々諤々〟決まったこと→工程表を作る→早く実務に移すのだ
この続きは、次回に。