『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』②
Chapter 1 なぜ、トヨタはナンバーワンなのか?
01 トヨタの社員が会議のときに必ずやっている「あること」とは?
トヨタでは、どんな仕事のベースにも必ず「紙1枚」があるのです。
「トヨタの1枚」ならではの3つの特徴
「トヨタの1枚」ならではの特徴があります。
それは、 ① ひと目で全体が見える(一覧性)
② 枠がある(フレーム)
③ 枠ごとにタイトルがついている(テーマ)
という3点です。
02 その書類は「機能」するものになっているか?
「時間節約のため」という人にとって役立つメニューとは、注文しやすいメニュー、時間をかけずに、
注文内容を簡単に決められるメニューです。
私たちがみていたメニューは、残念ながらそうはなっていませんでした。
紙1枚の表裏にまとめられていたものの、ひと目では内容を把握しにくく、あまり役に立たない
1枚になっていたのです。
「単なる紙切れ」を「機能する1枚」に変える方法
仕事に関する情報をどんなにきれいに1枚の書類にまとめても、何らかの機能を果たさなければ、
それは単なる紙切れです。
企画書、営業報告書、会議の議事録等、どんな書類にも必ず果たすべき役割があります。
通らない企画書を何枚書いても意味がありません。
営業内容が把握できない営業日報も、会議の重要ポイントを押さえていない議事録も意味が
ないのです。
ではどうしたら、役立つ1枚、よく機能する1枚となるのでしょうか?
この時に、先に述べた「トヨタの1枚」の3つの特徴が役立ちます。
これから作る書類に、
① ひと目で全体が見える(一覧性)
② 枠がある(フレーム)
③ 枠ごとにタイトルがついている(テーマ)
という特徴が入っているか、まず確かめることを心がけてみてください。
これらのうち、あるときはすべて、あるときは一部でも取り入れることで、たとえ紙1枚の書類で
あっても、機能する「1枚」となるのです。
03 どんな説明よりも「1枚」の書類がものを言う
誰かに何かを伝えたいとき、そのいちばんの手段は言葉だと思っていませんか?
「言葉を尽くして説明すれば、きっと相手に伝わるだろう」と。
しかし、言葉よりもたった1枚の紙のほうが、ずっと簡単に、相手に必要なことを伝えられる
場合があります。
テーマパークで道を聞かれたときのベストな伝え方
例えばあなたが今、人気のテーマパークにいるとしましょう。
エントランスに入ってすぐのところで、見知らぬ人から最新のアトラクションがどこにあるかを
聞かれたとします。
仮に、あなたがその場所を知っているとしたら、どうやってその人に教えるでしょうか。
次の3つの中から、いちばん性格に伝わると思う方法を選んでみてください。
① 以前来たときの記憶を頼りに、口頭で説明する。
② 手元の地図で確認し、それを見ながら口頭で説明する。
③ 持っている地図を相手に見せ、現在地と目的を差しながら説明する。
いかがでしょうか。
おそらく③がもっとも正確に伝わるはずです。しかも、もっとも言葉を必要としません。
③なら、地図を指で差しながら「今、私たちがいるのはここです。アトラクションがあるのは
ここですよ」と言うだけで済みます。
言葉が通じない外国人が相手だったとしても、ジェスチャーだけで伝えることができるでしょう。
言葉をいくつも重ねるより、1枚の地図を見せたほうがずっと正確に、そして短時間で伝わるのです。
実は、「トヨタの1枚」には、この〝地図〟と同じような働きがあります。
読んでわかるのではなく、見てわかる「1枚」になっている。
内容を説明するときにも、最低限の言葉で済むような作りになっています。
それを可能にさせているのが、トヨタで学んだ「紙1枚」の3つの特徴なのです。
この続きは、次回に。