『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』①
今回は、 『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』浅田すぐる Suguru Asada サンマーク出版 をご紹介致します。
『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』
浅田すぐる Suguru Asada サンマーク出版
世界のトップ企業・トヨタの社員は、なぜ、すべての書類を「紙1枚!」でやりとりするのか?
はじめに
たった「1枚」の紙で仕事が劇的に変わる!
「浅田くん、キミが作ってくれた書類だけど、とてもよくできているから、明日にも社長に
見せることになったよ」
そう言って、上司は私が作った1枚の書類を手渡してくれました。
ところが翌日、この資料は実際に社長の目に触れ、それをきっかけに、業務は一大プロジェクトへと
発展していきました。
この「細部まで磨き上げた書類を作成すると、1枚の紙が〝ひとり歩き〟する」というのは、
トヨタ勤務時代に私が身をもって学んだことの一つです。
私はこのときの「1枚」がきっかけとなり、のちに自分の携わった仕事が日本一の評価を得るという、
思いがけない実績にも恵まれることになりました。
さて、それではなぜ、この書類がこのような実績につながったのか?
それは、その書類が「紙1枚にまとめられていた」ことにあります。
私の用意した書類は、じっくり時間をかけて読み込んで初めて理解するようなものではなく、
短時間で見て内容を把握できるものになっていました。
仕事の判断材料となる、現状・課題・対策などの重要なポイントについて、考えに考え抜いた
うえで、不必要な贅肉をすべて削ぎ落としたシンプルな表現のみを使い、なおかつそれらが
ひと目でわかるようレイアウトしてあったのです。
実は、トヨタには業務上の書類はすべてA3またはA4サイズの紙1枚に収める、という習慣が
企業全体の文化として根づいています。
考え抜いて作られた1枚の書類は、機能する1枚となるのです。
どんな複雑な内容の企画書も、報告書も、どんなに長い会議の議事録も、プレゼンテーションの
資料も、仕事のスケジュールも進行管理も、とにかく「紙1枚」にまとめるように作っていく。
そうすれば、仕事の質も効率も飛躍的にアップすることを実感できるはずです。
仕事のできる人がやっている「もとめる」技術
仕事に関する情報を「紙1枚」にまとめるには、内容を整理し、整理した情報をベースに考えを
まとめていくための基本があります。
また、その1枚を最終的に、〝機能する1枚〟にするために、伝える作業も重要です。
書類作りに限らず、必要な情報を「整理し」、「考えをまとめ」、「伝える」ことは、仕事の中でも
特に重要な部分です。これは一方で、もっとも時間がかかり、もっとも難しく、もっとも苦労する
部分でもあります。
トヨタには、すべての書類を紙1枚にまとめる習慣はあっても、それを「どうやってまとめるか」と
いう詳細なマニュアルはありませんでした。
世界のトップ企業・トヨタで学んだ思考整理法
本書ではまず、ベースとなっているトヨタで学んだ「紙1枚」にまとめる技術が、仕事の現場で
どのように役立っているのかを、私のトヨタ時代の経験をもとに紹介します。
ぜひ、仕事に関する情報を1枚にまとめる方法(=整理し、考えをまとめ、伝える方法)である
「〝伝わるカイゼン〟『1枚』フレームワーク」を紹介していきます。
「情報を整理するって、具体的にどうやるのか?」
「考えをまとめるにはどうすればいいのか?」
「どうしたら伝わるのか?」
これらの疑問を一度でも抱いたことかある人には、必ず役立つ技術です。
しかも、1枚の紙と緑・青・赤3色のペンがあれば、誰でも簡単に情報を整理し、考えをまとめ、
伝える力を高めていくことができます。
ぜひ、試してみてください。
それでは、本分にはいりましょう。
この続きは、次回に。