社内プレゼン資料作成術 ⑯
第6章 プレゼン本番は資料に沿って話すだけ
Lesson 31 完璧な資料さえあれば、それに沿って話すだけでOK
✔️ スライドとトークが馴染むまで最低20回は練習する
ここまでお伝えした資料づくりのポイントを押さえれば、完璧なスライドが出来上がって
いるはずです。あとは、本番のトークを残すのみ。
誰でも、プレゼン前には「うまくいくだろうか?」と心配になります。
でも、安心してください。社内プレゼンは資料が9割。完璧な資料さえあれば、あとはそれに沿って
普通に話すだけで大丈夫です。資料に自信があれば、トークにも自然と自信が備わります。
その意味では、「資料が10割」と言ってもいいほどなのです。
ただし、事前の練習は念入りにやってください。
✔️ 練習中の「小さな違和感」を大切にする
練習中に感じる「小さな違和感」を見逃してはいけません。
話しのスジが論理的でないところや、自分の腹に落ちていないところでは、言葉が詰まりやすい
ものです。あるいは、スライド上で「目線の誘導」がうまくいっていない時は、自分もどこから
話すべきかわからなくなりがちです。
そんな「小さな違和感」を覚えたら、そのつど、スライドに修正を加えつつブラッシュアップする
ようにしてください。もちろん、それに合わせてトークも調整していきます。
この繰り返しによって、スライドとトークがしっくりと馴染んできます。
そのときはじめて、決裁者にとっても「わかりやすいプレゼン」になるのです。
慣れないうちに、この最後の仕上げにもかなり時間がかかるかもしれませんが、何度も、
繰り返すうちに経験値が身につきます。
そのうち、それほど苦労せずに仕上げることができるようになるはずです。
Lesson 32 決裁者の「左目」を見て話す
✔️ トークのなかで「間」は取らない
プレゼンが始まったら、普段どおり冷静に話すようにしてください。
練習して身体に染み込ませたトークを展開すれば、それだけで決裁者は聞き入ってくれます。
余計な演出は不要です。
プレゼンのゴールまでリズムよく駆け抜けることに集中するようにしてください。
✔️ 決裁者だけを、まっすぐ見つめる
では、どこを見て話せばいいのでしょうか?
まず、決裁者だけを見ることを心がけてください。
社内プレゼンは、あくまでも決裁者にGOサインを出してもらうことが目的。
であれば、最重要人物である決裁者だけを見ながら話すのが正解なのです。
✔️ 「左目」を見て自信を伝える
さらに、決裁者の「左目」を見ながら話すといいでしょう。
「グラフは左、テキストは右」の法則を覚えていますか? 左目から入る情報は、ビジュアルの処理が
得意な右脳に送られるため、グラフはスライドの左側に配置する、という法則でしたね。
それと同じです。決裁者の「左目」をまっすぐ見つめながら、自身に満ちた表情で話せば、
そのビジュアル情報が決裁者の右脳に送られます。
そして、決裁者は「この提案に自信があるんだな」と解釈してくれるのです。
決裁者の「左目」だけを見る——-。
実践していただければ、その効果を実感できるはずです。
Lesson 33 誰に質問されても、決裁者に向かって答える
✔️ 沈黙を恐れない人、聞かれたことだけを答える
プレゼンが終わったら、決裁者をはじめとする参加者からの質問を待ちます。
ここで、慌てないようにしてください。
というのは、しばしば参加者全員が黙考して、沈黙が支配することがあるからです。正直にいって、
落ち着かない瞬間です。だけど、この時に、誰にも頼まれていないのに補足説明などを始めては
なりません。あなたは、最も重要な提案の骨子を伝えたはず。
そして、どんな質問が飛んでも対応できるように、アペンディックスも万全に準備しているはずです。
だから、黙って質問を待てばいいのです。聞かれたことだけに答える。
何も聞かれなければ黙って待つ。これが、プレゼン後のディスカッションでの鉄則です。
もしも、いつまでも沈黙が続いたらどうするか?
しばらく待って反応がない時は、堂々と「では、合意ということでよろしいでしょうか?」と聞いて
しまえばいいのです。
✔️ 最重要人物に集中する
ここで、注意点があります。
質問は、その場にいるすべての人物から飛んできますが、誰の質問であっても、決裁者の方を
向いて答えるようにしてください。
なぜなら、あなたが説得しなければならないのは決裁者だからです。
この続きは、次回に。