訪日外国人インバウンド市場 攻略の鉄則-5
✔️地域資源を活用したインバウンドマーケティング
顧客満足度を高める発想と富裕層の取り組みが重要
Keywords ◯「異」日常 ◯ 頂点を高く
インバウンドビジネスが注目されている。
その一方でいま、日本の訪日観光客向けの観光業界が向かっている方向は、インバウンド
マーケティングの本質から、少し外れているという指摘がある。
各国の観光事業に精通している「観光カリスマ」の山田桂一郎氏に、インバウンドビジネスを
日本の産業の柱の一つにするための方法を語ってもらった。
・ 重視すべきは「数」ではなく「利益」
政府は2030年時点で訪日外国人3,000万人を目指しています。
もちろん、数を増やすことは大事なのですが、単に数を増やすだけではビジネスとして成功とは
いえません。いまの日本に欠けている受入体制としては「ユニバーサルツーリズム」という
考え方ではないでしょうか。観光客の旅行形態は徐々に個人旅行にシフトしていきます。
そうなるとニーズは多数化していきますから、顧客に合わせた個別対応が必要になってきます。
結局は「個別対応が必要になってきます。結局は「ユニバーサルツーリズム」に行きつくのです。
・ 異文化体験とはその土地独自のライフスタイルを体験すること
では、すべての観光客に異国での旅行を通じて満足していただけることはあるのでしょうか。
一つの答えが、その地域ならではの生活体験です。そもそも旅の基本は異文化体験です。
だからこそ「非」日常だけではなく「異」日常での体験がとても重要になります
これに対し、
異日常とは、その土地ならではの異文化体験ですから、そこに根ざしたライフスタイルがなければ
成立しません。
・ 「ハイジ」の干し草のベッドで眠る
非日常を体験する観光装置はいずれ飽きられてしまいますが、異日常であるライフスタイルを
体験することは飽きられることがありません。
・ 外国人を引き付ける二編の健康・長寿
今後は、健康・長寿も大きな日本のテーマになっていくでしょう。
そもそも和食がブームになったのは健康食と言う側面があったからです。
また、健康・長寿と言う価値は世界中から富裕層を呼び込む人にもつながります。
スイスの山岳リゾート地でも健康増進やアンチエイジングなどを図る「ヘルスツーリズム」で、
富裕層の取り込みに成功しています。
・ マーケットの頂点を引き上げ、さらに拡大する
富裕層個人客を取り込めるかどうかというのも、観光産業における極めて重要なポイントです。
すそ野を広げて底辺をいくら伸ばしても、頂点を引き上げなければマーケットの面積はたいして広がりません。
頂点を引き上げることで質とともにイメージも高くなり、需要の面積を広げることができるのです。
columu
インバウンドマーケティングのヒント!
観光客が常に持ち歩くスマートフォン(スマホ)への広告配信は、インバウンドマーケティングの
強力な武器といえる。
スマホやタブレットに特化した広告配信を手掛けるVPONJAPAN(ブイポンジャパン)の篠原好孝社長は、
スマホへ広告配信する際の注意点として「配信するタイミング」を上げる。
例えば、目的地や交通手段、Wi-Fiなど通信環境の準備は訪日前にプロモーションすべき内容だ。
その一方で、最寄り店舗への来店誘導やクーポン券の配信などは、すでに訪日している観光客に
PRすることでより高い広告効果が期待できる。
「ユーザーの状況によって配信内容を変えることで、高い広告効果を追求できるのはスマホ
ならではのメリットといえるでしょう」(篠原氏)。
同社の広告配信プラットホームなら位置情報サービスを利用したり、使用しているスマホの
設定言語によって配信する際の言語を変えたりといったきめ細かいターゲットマーケティングの
成功のカギは、スマホを使ったプロモーション展開にあるのかもしれない。
1,000円ランチしかないマーケットでは、取り込める層は限られて規模も限定されるが、
1万円のランチを投入することで頂点が引き上げられ、その下に階層的にマーケットが作られる。
この続きは、次回に。