ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 -56
✔️ 米国の大学業界を圧巻するインド移民
2013年に、米国の名門カーネギーメロン大学の新しい学長として、米マサチューセッツ工科大学
(MIT)エンジニアリング学部のスプラ・スレッシュが就任しました。
スレッシュ氏はインド・ムンバイの出身で、学部はインドの大学を卒業しています。
このように米国のアカデミアでは、すべての学問分野がそうというわけではありませんが、インド系の
人々がとても目立ちます。特にエンジニアリング関係などはそうかもしれません。
この状況はビジネススクール(経営学界)も同じです。
インド人が圧巻している、とさえ言えるかもしれません。
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みなさんも米国の有力大学のビジネススクールのホームページをご覧になれば、いかにインド出身の
方が多いかお分かりになると思います。
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このように、いま米国を中心として、世界の知識産業では、急速にインド人が経営者として台頭しつつ
あります。そしてある意味「極端な知識産業」と言える米国の大学・ビジネススクール業界では、
それが以前から始まっていたのです。
そして私の肌感覚では、インド人の次に米国のビジネススクール業界を圧巻しつつあり、今後さらに
台頭するのは中国人で間違いありません。
それに韓国人と台湾人が続く、といった感じでしょうか。
✔️ 次の米経営学界を圧巻するのは中国人
実際、最近の米国ビジネススクールの教員や博士課程の学生に占める中国人を中心とした東アジア人
(日本人を除く)の割合はものすごいものがあります。
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そして、これはあくまでも私の肌感覚なのですが、インド出身の方と比べると、中国系の人たちの
方が、同胞内での「インフォーマルなコミュニティー」をより活用している印象があります。
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✔️ 情報戦は出願前から始まっている
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さて、アジアでは今ビジネススクールの設立・拡大がブームです。
そして特に中国や香港のビジネススクール・ブームを下支えしているのは、この「超国家コミュニ
ティー」なのではないか、と私は考えています。
香港の有力ビジネススクール(例えば香港科技大学)や中国本土の有力ビジネススクール(例えばCEIBS)の
ウェブサイトでそこにいる教員の経歴を見ると、そのほとんどが欧米で博士号を取っており、中には
米ビジネススクールでの教員経験がある中国人も少なくないことが分かります。
こういった方々は、今も欧米の経営学アカデミアとのつながりを保ち、両国を足しげく行き来して
います。そして、欧米にいまいる同胞の若手教授や博士学生とのインフォーマルなコミュニティーを
通じて、世界の経営学アカデミアの動向や研究動向など、最先端のインフォーマルな情報を母国語で
やり取りして、それらを自国に取り入れていると推測できます。
✔️ 日本の大学はどう立ち向かうべきか
また、中国・香港のビジネススクールは資金力を生かして、今大量の若手教員を欧米から採用したり、
欧米の大物・中堅教授を引き抜いたりしています。
このようなリクルーティング面でも、超国家コミュニティーを通じてのインフォーマルな情報が有用で
あることは言うまでもないでしょう。
私は、「日本の大学やビジネススクールも同じように超国家コミュニティーを育てるべきである」と
短絡的に考えているわけではありません。
例えば欧州経営大学院(INSEAD)やスイスのIMD、ロンドン・ビジネススクールのような欧州の有力校は、
欧州内で比較的「完結した」コミュニティーの中であっても競争力を高められているように見えます
(それでも、最近は多くの欧州有力校が米国から教員を引き抜いていますが)。
しかしながら、もし日本の大学やビジネススクールがこれから国際化を目指すのであれば、当然ながら
その主戦場はアジアになります。そしてアジアで競争するということは、こういう「超国家コミュニ
ティー」の恩恵を十分に受けた大学・ビジネススクールと戦うことである、という点は念頭に置く
必要があるでしょう。
この続きは、次回に。