人を動かす経営 松下幸之助 ⑱
・ 百万言を費やすよりも—一休和尚と地獄極楽
人を説得する場合、ことばだけでは説得できにくいこともあろう。
そんなときにはどうすればよいか。どうすればよいかは、もちろんその場合場合によってちがうで
あろう。が、一つにはやはり、目で見えるようにするとか、体で感じさせるとか言ったことがある
かもしれない。
一休和尚の次の話は、そういったことの一例といえるのではあるまいか。
※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。
一休和尚は、口で言ってもわからないから、当意即妙に体でわからせようとしたのである。
そうすると、相手はたちまちのうちに理解した。
百万言を費やしても理解させることのできない場合もあろうが、反対にことばは一言も言わずして
理解させることのできる場合もある、ということであろうか。
しかし、これはもちろん、相手による。人によるのである。
理路整然と説いた方がよい場合もあるし、長ながと言葉を費やして説いた方がよい人もあるわけで
ある。それは相手を見て決めなければならない。
むずかしいことではあるが、われわれの日々の経営の上でも、仕事の上でも、そういうことを心に
とめておくことも大切ではないかと思う。
この続きは、次回に。