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医師いらずで「糖尿病」「高血圧」がみるみる良くなる治療法!⑫

25. 「血圧は薬で下げる」という盲信はやめるべき

 

科学的に質の高い臨床試験のデータを精査した結果、165mmHg未満の軽症高血圧の場合は

メリットよりデメリットのほうが上回るので、薬を飲む利益はないと判定しています。

 

日本でも、脳卒中や心臓病、糖尿病などの問題がないかぎり、160 mmHg未満の患者には、

原則として高血圧薬は処方しないという医師が少なくありません。

こうした患者には、食事 (減量や減塩)、運動、禁煙などで、血圧を下げてもらうのが一番なのです。

高血圧の基準値を超えた患者には、薬をだして血圧を下げてもらったほうが、医師にとっては

楽なのです。ですが、このような薬に頼りすぎる高血圧治療が横行した結果、日本の患者、

特に高齢者は薬漬けになってしまいました。

後述するとおり、特に高齢者は、薬の飲まされすぎによって明らかにして弊害がでています。

無駄で危険な薬を、たくさん飲まされているのです。

そうならないためにも、私たちはまず「薬を使ってでも血圧を下げたほうがいい」という盲信を

やめる必要があるでしょう。

 

血圧を下げるための「生活習慣の修正項目」

 

減塩      6g/日未満

野菜・果物   野菜・果物の積極的摂取 ※

脂質      コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える魚(魚油)の

        積極的摂取

減量      BMI<体重( kg)÷[身長(m)]²>が25未満

運動                  心血管病のない高血圧患者が対象で、有酸素運動を中心に

          定期的に(毎日30分以上を目的に)運動を行う

節酒      エタノールで男性20-30ml/日以下  

        女性10-20ml/日以下

禁煙       (受動喫煙の防止も含む)

 

生活習慣の複合的な修正はより効果的である

◉ 重篤な腎障害を伴う患者ではリスクがあるので、野菜・果物の積極的摂取は推奨しない。

  糖分の多い過剰な摂取は、肥満者や糖尿病などのエネルギー制限が必要な患者には勧められない。

 「高血圧治療ガイドライン2014」(日本高血圧学会・発行/日本高血圧学会高血圧治療

   ガイドライン作成委員会・編)より

 

26. 年を取るほど高血圧になるのは自然の理

 

厚生労働省の調査によると、高血圧薬を飲む人の割合は年齢につけて高くなります。

そして前述のとおり、70歳以上になると半数もの人が、高血圧薬を飲むようになります。

(2012年「国民健康・栄養調査」)。

なぜ、年齢が高くなると高血圧薬を飲む人が増えるでしょうか。

それは、人間は年を取るほど、血圧が高くなるからです。

それが「病気」であるならば、薬を飲む人が増えるのは、仕方がないことなのかもしれません。

しかし、高齢者が高血圧になるのは、血液を送りだすときに心臓は強く収縮するようになります。

つまり人間は、身体のすみずみまで血液を行きわたらせるために、自動的に血液を高めるのです。

年を取ってから血液が高くなった高齢者のなかに、こうした加齢現象によって血圧が上昇した

「高齢者高血圧」の人がたくさん含まれていると考えられます。

もし血圧が十分に上がらなければ、逆に低血圧の症状がでてしまうかもしれません。

ですから、高齢者は多少血圧が高くなっても、大目に見るべきだとする医師も多いのです。

実際に、むかしの医師は、「上の血圧は年齢プラス90まで大丈夫」と教えられてきました。

この法則をあてはめると、70歳の人は160mmHgまで、80歳の人なら170mmHgまでは、薬は

不要ということになります。ところが、2000年に高血圧の基準が引き下げられてから、

「年齢プラス90」の法則は否定されるようになりました。

年齢に関係なく、140mmHg以上は高血圧で、治療の対象と見なされるようになったのです。

その結果、たくさんの高齢者が高血圧薬を飲むようになりました。しかし、多くの医師が、

その弊害を指摘しています。よく聞くのが、ふらついたり、ぼーっとしたりして、元気をなくしている

ケースです。

 

診察してみるといくつも高血圧の薬を飲んでいて、上の血圧が100を切るほど下がっていた人も

いるそうです。薬を中止したところ、認知症と思われていた人が表情を取り戻し、元気になったとも

よく聞く話です。

 

なぜ、このようなことが起こるのでしょう。

高齢になると心臓の機能が落ち、血圧を上げる力が弱くなります。

さらに、肝臓や腎臓の機能が落ちるので、薬の成分が血中に残りやすくなります。

そのため薬の効きが強くなって、過剰に血圧を下げてしまうことになります。

高齢者のなかには、中高年の時に高血圧薬を処方されて、そのまま飲み続けている人も多いそうです。

しかし、年をとっても身体の変化に気づかないまま漫然と薬を飲み続けると、こうした問題が

現れることがあるのです。特に、後期高齢者(75歳以上)や足腰が弱って歩く速度が遅くなっている人は、

老化が進んでいる可能性があるので要注意です。

 

 

 

この続きは、次回に。

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