医師いらずで「糖尿病」「高血圧」がみるみる良くなる治療法!⑭
27. 多剤併用で薬が複合的に作用して恐ろしい副作用も
高齢になるといくつもの「病気」を抱えるようになるため、高血圧薬以外にも、何種類もの薬を
飲む人が増えます。
コレステロール薬、糖尿病薬、抗不整脈薬、認知症薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬、
胃薬などなどです。
このように、何種類もの薬をたくさん飲むことを、「多剤併用」といいます。
多剤併用の問題点は、副作用のリスクが高まること、副作用がでても、どの薬が問題なのか、
わからなくなることです。
薬が複合的に作用して、恐しい副作用がでることもあります。
ですから、特に高齢者はたくさんの薬を飲みすぎないようにすることが大切なのです。
残された寿命のことも考慮に入れながら、いま、ほんとうに必要な薬はどれか、主治医と
相談しながら最小限に絞るべきでしょう。
なかでも高血圧薬は、無駄に飲んでいるだけでなく、血圧の下げすぎで弊害を起すこともある薬です。
「年を取ったら血圧が上がるのは自然」ということも念頭に置いて、適切な判断をして
いただければと思います。
28. 高血圧薬が招く死のリスク
「血圧は、高いとよくない」
「高い血圧は、薬を使ってでも下げるべき」
わたしたちは、そう擦り込まれています。そして、その前提に立って、専門家たちも高血圧患者に
薬の服用を進めています。しかし、忘れがちですが、血圧が低すぎるのもよくないのです。
低血圧になると、めまいや立ちくらみ、頭痛などが起こり、疲れやすくなります。
前述したとおり、こうした症状が、高血圧薬によって引き起されることがあるのです。
低血圧が危ないのは、めまいや立ちくらみにとどまらず、転倒や骨折につながることがあるからです。
特に高齢者は、立ち上がったときなどに脳への血流が著しく低下してふらついたり、失神したりする
「起立性低血圧」を起こしやすいのです。
高血圧薬を飲んでいると、このリスクが高まります。
転倒して骨折すると、入院せざるを得なくなります。
その結果、筋肉や関節が衰えて、歩けなくなり、そのまま寝たきりになることも少なくありません。
そして、体力が衰えて、肺炎にかかり亡くなってします——-。
こうなると、脳卒中や心臓病を予防して、長生きするために飲んでいた薬によって、かえって命を
縮めてしまったということになりかねません。
現実に、そうした例も少なくないといわれています。
最近では後期高齢者では血圧を下げすぎると、かえって寿命が短くなるというデータもでています。ですから高齢者の場合は特に、高血圧薬の使用には慎重であるべきなのです。
高血圧薬の問題は、低血圧だけではありません。
実は、がんのリスクが上昇する可能性も指摘されています。
この続きは、次回に。