お問い合せ

通勤大学実践MBA 事業計画書  ③

1-3 なぜビジネスプランが必要か① 〜自分のため〜

 

どのようなときも“利益が出るビジネスかどうか”という視点は忘れてはなりません。

ビジネスプランの最初の読み手は自分なのです。

この際のビジネスプランは、自分で徹底的に考えるツールとして位置づけられます。

自分の考えついたものは本当に自分が実行すべき魅力あるビジネスかどうかを自問自答し、

その達成プロセスを細分化し、どんなリスクがあるかを理解するのです。

この場合は、各項目ごとに検討すべき課題やどうすればそれらが検証できるのかについて、

さらには検証に必要なデータの取引先などを記述することが重要になります。

ゆえに、必ずしも美しく作成する必要はありません。

 

アメリカで成功を収めて日本に帰国したある企業の社長は、自分がこれからの人生を賭ける事業を

開始するにあたって、50近い事業アイデアを実際に事業計画として考え、収益計画を立てて

検討したといわれています。

自分がやりたいことを自分で比較検討することがビジネスプランの第一歩なのです。

 

● 自分のためのビジネスプラン ●

・目的  自分で考えた事業が「本当に自分が実行すべき魅力のあるビジネスであるかどうか」を

     自問自答し、そのプロセスを細分化し、リスクを理解する。

                  ‖

                           自分で徹底的に考えるツール

 

1-4 なぜビジネスプランが必要か② 〜社内のため〜

 

社内でのビジネスプランの使い方は二つに分かれます。

 

一つは社内での戦略・戦術の議論のたたき台として、もうひとつは、その社内で周知徹底させるための

情報伝達ツールとしてです。

 

1980年代の米国では、全従業員と会計帳簿の情報まで共有すること(オープンブック・マネジ

メント)により、倒産直前の工場を年30%以上で売上が伸びる工場につくり変えたというジャック・

スタッフの例もあります。

そのためにも、社内向けのビジネスプランとしては、誰(どの部門)がどの業務の責任者か、

そしてそれぞれの役割と仕事のプロセスを詳細かつ具体的に書くことが大切です。

 

● 社内のためのビジネスプラン ●

 

目的 1.社内での戦略・戦術の議論のたたき台

   2.社内議論を経て確定した内容を、社内で周知徹底させる情報伝達ツール

 

 

1-5 なぜビジネスプランが必要か③ 〜外部のため〜

 

ビジネスは、最終的に顧客や出資者(株主)、アドバイザーや提携先など、外部のさまざまな利害

関係者(ステークホルダー)の理解と協力を得られなければ成功はおぼつきません。

事業開始前において、ビジネスプランは外部ステークホルダーとの最重要かつ最有力な

コミュニケーションツールとなるのです。

 

外部利害関係者は、大きく分けて「事業を直接的にサポートしてくれる原材料供給者・営業代理店・

さまざまな提携パートナー」と「金銭面で支援してくれる銀行やベンチャーキャピタルなどの

資金パートナー」の二つがあります。

 

ここで重要なのは、事業パートナーはあなたの事業の面白さだけでなく、収益性・安定性・

事業シナジー(相乗効果)の可能性などの部分を重要視しているということです。

逆に考えると、彼らは実はさまざまな事業遂行上の支援をお願いすべきパートナーだということです。

 

資金提供パートナーの場合は、自社で作成したビジネスプランのほかに、先方の雛形でプランを

作成して提出しなくてはならないケースがあります。

先方の雛形にはよく理解できない項目も多く、二度手間に感じることもあるでしょう。

ただ逆に考えると、相手の雛形が存在するということは、出資(融資)者がどんなロジック・基準で

考えているかが推測できるということでもあります。

その分、対応策も考えやすいというメリットがあることも認識すべきでしょう。

 

外部向けビジネスプランのポイントは、自分の訴えたいことを相手の聞きたい順番・形式で

伝えることです。ゆえに、先方の雛形をもらったらチャンスと思うべきです。

業界専門用語・略語には解説をつけるぐらいの気配りがあればさらに良いでしょう。

 

● 外部のためのビジネスプラン ●

  目的=外部利害関係者からの理解と協力を得るコミュニケーション

    外部利害関係者とは、① 事業面での支援者

              原材料供給者、営業代理店、提携パートナー

              ② 資金面での支援者

              銀行、ベンチャーキャピタル、個人投資家、

              資本提携パートナー

 

 

 

この続きは、次回に。

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