シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ③
パート1 新しいシェアが生まれるまで
□ もうたくさんだ
✔︎ 日本の東、ハワイの西の位置する太平洋のはるか沖合に、現代消費社会が生み出すゴミを象徴する
巨大なモニュメントが人知れず存在する。
この「太平洋ゴミベルト」は世界最大のゴミ捨て場だ。
ただし陸地ではない。海に浮かんでいる。
この巨大なゴミの渦巻きは、テキサス州の二倍の面積があり、深さは場所によっては30メートルか、
それ以上あるらしい。
それは、350トンものさまざまなゴミがぐちゃぐちゃに交ぜ合わさった漂流物だ。
その9割はプラスチック。世界中のあらゆる場所から流れ着いたペットボトル、おもちゃ、靴、
ライター、歯ブラシ、網、おしゃぶり、ラップフィルム、使い捨て容器、ポリ袋などの寄せ集めだ。
太平洋ゴミベルトは、何年もの間だれの目にも触れず、気づかれることもなく、人工衛星に映らない
海面のすぐ下にひっそりと隠れていた。
太平洋ゴミベルトは、人間が目を背けてきた現代の消費主義がもたらす負の側面を、醜悪な姿で
私たちに見せつけるものだ。
過去50年間に、私たちは、それ以前のすべての世代を合わせたよりも多くのモノとサービスを
消費してきた。
そして、残念ながら買っては捨てる消費のサイクルは加速するばかりだ。
□「使い捨て生活」の始まり
✔︎ 社会学者のロバート・K・マートンは、意図せざる結果をもたらす5つの要因を挙げている。
無知、過ち、目先の利益、基本的価値観、そして自滅的予言だ。
このうち二つは、過剰消費と特に関連が深い。
ひとつは無知(何もかも予知できるわけがない)。もうひとつは、今そこにある目先の利益だ。
✔︎ 現代社会は「使い捨て」中毒で、私たちの多くは、その結果に麻痺している。
□ レンタル倉庫
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□ 自分の所有物に所有される
✔ モノを買うため必死に働いたのに、そのモノと一緒に生活できず、かといって手放すのは忍びない、
というのは、ある意味悲しいことだ。
その上、私たちはゴミがどこから来るかよりも、ゴミをどこに葬るかばかりを考え、多大な
エネルギーとお金を費して不用品を溜め込みながら、それほど多くのものを持つ必要がそもそも
あるのかというまぎれもない真理の謎から目をそらしている。
この続きは、次回に。