シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ⑱
第六章 因果応報—-再分配市場
※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。
リサイクルのプログラムが生まれ、ガレージセールやヤードセールがいろいろな場所で
開かれるようにはなったものの、中古品や私有物を売り出したり、スワップしたり、
譲り渡すことは、ほとんどの人にとってもはや身についた習慣ではなくなっている。
これまでのオフラインのチャネルでは、こうした取引はあまり効率的ではなかったが、
インターネットの時代に再分配は生活の一部になりつつある。
□ 「取引コスト」がなくなる日
インターネット以前の時代には、あげたい人と欲しい人をひきあわせたり、あるいは
同じようなことに興味をもっている人たちをつなぐには、高い取引コストがかかったので、
モノをシェアするのは面倒で不便なことだった。
いらなくなったものを、自分の身の回りのコミュニティを越えてやりとりするのは非効率
だった。何かをあげたい人と、まさにそのものを欲しがっている人をつなぐなんて、
ひと筋縄ではいかなかったのだ。
まだ充分に使えるけれど、自分にはいらなくなった机をだれかに引き取ってもらうのに、
昔はどれだけの手間がかかったことか。
新聞に広告を出し、あちこちをまわって店や近所の掲示板にお知らせを出し、友達や同僚に
机はいらないかと訊き、学校や慈善団体を訪ねたりもしていた。
引き取り手が見つかる可能性はあまりないのに、時間や労力ばかり使った。
いちばんてっとり早いバンを借りてゴミ置き場に捨てることで、あなたの机を喜んで
使ったかもしれないだれかは、新しい机を買いに行くしかなかった。
たとえば、eメールの「全員に返信」機能。
クレイグズリストのようなオープンなコミュニティの掲示板。
イーベイのようなグローバルなオークションのシステム。
スワップ・ドットコムのようなスワップ取引のマーケティングプレイス。
あるいは、フリーサイクルのようなオンラインの情報登録。
今やこうした広大なマーケットプレイスが存在し、不用品や中古品を、必要とする場所や
必要とする人につないでいる。
いらないものを「使わない」場所から「もう一度使う」ところへ動かすことが、今では
身近で、便利で、割に合うようになった。
この進化が、コラボ消費の二つ目のモデルである再分配市場、つまりコラボ消費の四大
原則がひとつになったシステム—-他者との信頼、余剰キャパシティの力、共有資源の尊重、
そしてクリティカル・マス—-の拡大につながっている。
□ 需要と供給のマッチング
※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。
この単純な事例は、たくさんの人々のウォンツとニーズをほぼ一瞬のうちにつなげて、
必ず両方が得するように、需要と供給をマッチさせるソーシャルネットワークの可能性を
示すものだ。
その結果、さまざまな動機をもつ人々がつながりあって、活気あるマーケットプレイスが生まれる。
コラボ消費のその他のモデルと同じように、このシステムを環境や慈善のために利用する人も
いるけれど、大部分の人々は、お金儲けや節約といった自分の利益のために利用している。
この続きは、次回に。