シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ⑳
□ 邪魔をしない
情報や知識、メディアといったコモディティがますますシェアされるようになってきたのと
同じように、ものをリユースしたりすることは、他者との間に信頼を築く手段になりつつある。
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フリースタイルとクレイグリストは、インターネットをどう使えば、メンバー自身が
ほとんどのことを管理するような、巨大で分散された再分配のシステムをつくれるかを
示している。
ビールとニューマークはどちらも、自分たちのネットワークがこれほど急速に拡大したのは、
メンバーに運営できるほどシンプルだったからだと信じている。
彼らは最低限のインフラをつくり、メンバーに権限を与えて、自分たちのなかで問題を
解決できるようにした。
ワイアード誌がクレイングリストについて書いた記事の要点は、つまり、これらのネット
ワークにはサポートの機能がないからこそ、メンバーが「自分たちのやり方でお互いに
支え合うように」なったというものだ。
コラボ消費のその他の多くのモデルでも同じように、こうした再分配市場は、ユーザーの力に
ゆだねることで、人々が自分たちの行動やコミュニティ全体の行動を管理するよう後押し
している。またそのことで、強い信頼と助け合いの気持ちを生み、不用品を効率よく
再活用することにつながっている。
□ 心の中の「公平さ」のものさし
人間のもつ公平さの感覚が、競争心と同じように生まれつき備わったものかどうかについて、
行動経済学者たちは長い間考えてきた。
この問いへの答えが、再分配市場のカギになる。
何が公平で何が公平でないかを人が判断することが、こうしたP2Pのリユースシステムが
うまく働くために大きな役割を果たしている。
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私たちの心の中にある公平そのものさしは、イーベイがなぜこれほど成功しているのかを
解くカギになる。だいたいの場合、売り手はその品物の価値がこれほどだろうと自分が思う、
ほどほどの値段で出品する。最低価格を設定して、それより安い値段で落札できないようにも
できるが、そうしなくても、買い手はたいてい、自分が落札できるようなフェアな価格で
入札する(オークションの場合も、「今すぐ落札」に応じる場合でも、そうだ )。
経済学者のアレクセル・オーケンフェルズは、「取引-交渉-協調」のパターンを長年に
わたって研究してきた。彼は、「買い手はふつう、アンフェアな提示に応じないし、売り手も
それを知っている」と言う。
同じことは売り手にも言え、入札者が極端に低い金額を提示してもたいていは受け入れない。
「相手側の得になることをしないというのではなく、互恵的にふるまうということだ。
あなたが私にしてくれるように、私もあなたに接します、と言うことなんだ」
この続きは、次回に。