シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ㉓
□ コミュニティ通貨
こうした物々交換の通貨にはさまざまな名前がついている。
オルタナティヴ通貨、コミャニティ通貨、パーソナル通貨、そして補完的通貨など。
こうした通貨が「補完的」と呼ばれるのは、ほとんどの人は国の通貨を使わなければ
ならないし、それに代わることはできないからだ。
私たちが「お金」と呼ぶ色のついた紙切れが、社会と経済の基盤だということは、それほど
意識しなくてもみんなあたりまえにわかっている。
どんな通貨も信頼の上に成り立っていて、それに特別な価値があり、政府がその価値を
保証することに全員が同意しているからこそ、このシステムが機能する。
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□ ソーシャルレンディング市場
金融業界の中でも従来の金融機関以外の分野で、ソーシャルレンディングと呼ばれる比較的
新しいセクターが、その頃から急速に拡大していった。
ヨーロッパのゾーパ[Zopa]、アメリカのプロスパー[Prosper]やレンディング・クラブ
[Lending Club]といったピア・ツー・ピアのソーシャルレンディング企業にとって、
2008年は大きなターニングポイントになった。
ソーシャルレンディングの基本的なコンセプトは、何世紀も前からあるものだ。
昔は、親戚や友人、または裕福な金貸しからお金を借りていた。
お金を借りるには、三人の人間—-借り手、貸し手、そして証人—が必要で、この三人が
握手すれば取引が成立した。
コミュニティのみんなが知り合いで、お互いの評判も、何が必要かもわかった時代には、
こうしたお金の借り手をつなぐ、中立的な仲介機関が必要になると、ソーシャルレンディングの
モデルは姿を消した。
その代わり、金融の仲介者—-アセットマネージャー、住宅ローンのブローカー、年金基金の
アドバイザー、そして大手銀行—-が現れて、相手の顔が見えないままに取引を仲介し、
人から人への貸し借りを結びつけてきたコミュニティの忠誠心は失われた。
□ イーベイ+ペイパル+マッチ・ドットコム
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□ 別々に同じ場所で働く
コ・ワーカーたちは、共有の仕事スペースが自分にとってどんな意味があるかについて、
機能面からではなく感情面から、たとえば、「ふれあいの中心」や「お互いの利益になる
同好会」といった言葉で説明する。
スペースの内装や雰囲気はさまざまだが、どれも、コーヒーショップのいいところ(社交的、
エネルギッシュ、クリエイティヴ)と、オフィスのいいところ(生産的、機能的)を組み合わせた
ものだ。
コミュニケーションと協調行動について研究するフランス人社会科学者、ドミニク・カルダンと
クリストフ・アギトンは、「第三の場所」をつくりだしているという。
「会社の机でも、自宅でもない場所。好きな時に参加できるパブリックな場所で、そこへ行くと
必ずだれかに会えて、何か役に立つことをお互いに交換できるかもしれないスペース」だと言う。
この続きは、次回に。