書籍「10年後の自分」を考える技術 ⑤
● モノゴトをつなげて考える「つながり思考力」
✔︎ 「つながり思考」とは何か?
未来は今起きているさまざまなモノゴト(事象)の「つながり」の先にある。
したがって、未来を描くためには、まずはさまざまなモノゴトのつながりについて
捉える思考力が必要となる。
つながりとは、もっとも単純なのは「Aと Bには関連がある」というものだ。
たとえば、「高齢化」と「国の医療費全体の増加」には何か関連がありそうだ、
というようなことは、誰にでもわかるだろう。
目の前で起きていることや、まだ兆しでしかないようなことから、こうした
「つながり」を発見して、それをいくつもつなげていくことで、より複雑な
つながりを発見していく—–
これが、「つながり思考」の基本である。
さらに、そうしたつながりを「一段高い視点」から見る意識も必要だ。
つまり、「俯瞰する」ということである。
現在起こっているモノゴトの「つながり」や、それを俯瞰して全体像を
捉えることで、初めて現状の先にある「未来」についても考えることが
できるようになるのだ。
✔︎ サッカー日本代表に見る「意外なつながり」
※ 省略致します。
✔︎ なぜ4月〜6月生まれが半数近くも占めるのか?
2つのモノゴトが連動して動くことを「相関関係がある」というが、これらの
間にはその相関関係がありそうである。
さきほど説明した「AとBには関連がある」というのが、相関関係だ。
具体的には、比例や反比例など、ひとつの要素の動きともうひとつの要素の
動きが連動しているとき、「相関関係がある」という。
✔︎ 因果関係と相関関係の違いを見極める
注意しなければならないのは、相関しているからといって「因果関係がある」
とはかぎらない、ということだ。
✔︎ マクドナルドは戦略を間違えたのか?
このように、相関関係と因果関係は明らかに違うものだ。
そして重要なのは、相関関係ではなく、モノゴトの因果関係をつきとめることで
ある。なぜなら、原因と結果のつながりが見えてくると、いま起きているモノゴトが
原因となって、将来どういう結果になるかがわかってくるからだ。
単なる相関関係を因果関係と断定することはとても危険だ。
たとえば、ある問題を解決しようとして、その問題の原因を間違った因果関係を
もとに断定してしまうと、結局は解決策を間違った方向に誘導してしまう
ことになる。
客離れの真の原因は、低価格路線によって「マクドナルドのハンバーガーは
安物だ」と、そのブランドイメージが悪化、失墜してしまったことにあった。
事実、マクドナルドはその後、ブランド再構築のために「I’m Lovin‘ it」と
いうキャッチコピーのもと、低価格路線を改め、再生を果たしている。
こうしたことは、自分の会社や私たちのまわりでも起きていないだろうか?
因果関係を間違えると痛手も大きい。細心の注意が必要だろう。
✔︎ 時間軸をさかのぼって考えていく
※ 省略致します。
✔︎ 真の因果関係を発見する
生まれ月分布では、4月〜6月生まれが45名、なんと半数以上もいたのだ。
✔︎ つながりが見えたらズームアウトして全体を俯瞰してみよう
このように真の因果関係がわかると、その因果関係によって「ある構造」が
生まれている様子もわかってくる。
因果関係を突き詰める「つながり思考」により、このような「構造」にまで
理解が及ぶようになるのである。
目の前のひとつのつながりだけ見ていても、そこから未来を描くことなどできない。
「つながり」が連鎖して生まれる「構造(=いくつもの因果のつながり)」を
発見するためには、いったんレンズをズームアウトして全体を見る視点、
つまり「全体を俯瞰する意識」を持つことが重要となってくる。
因果関係が結果につながり、結果がまた原因を強化するという関係—-
これを専門用語では「フィードバック」と言う。
こうした「最初に成功したものがより成功する傾向にある」と言う循環の構造は、
「成功が成功を生む」パターンと呼ばれている。
✔︎ 構造がわかることで、はじめて有効な手が打てる
このように、複数の因果関係のつながりを一段高い視点から見て、そこに
どのような好循環や悪循環があるかを考え、モノゴトの全体の構造(システム)を
図示化して捉える思考法を「システム思考」と言う。
この章で理解してほしいことは、目の前のちょっとした変化や違いに
「あれ、おかしいな?」と気づき、背後にある因果関係をつぎつぎと
つなげていって、一段高いところから俯瞰して全体の構造を見てみると、
思っても見なかった〝本質的な問題〟がそこに現れることがある。
—-インターネットより抜粋—-
● 思考力とは、簡潔にいうと「考える力」です。
では、考える力とはなんでしょうか。
それは頭の中のいくつかの情報から関係性を見つけ出し、新たな情報を
つくりだす力です。
つまり、思考力とは考える力、点と点を繋げる線を引く力とも言えます。2020/02/21
● 「俯瞰」の意味は「高いところから見下ろすこと」と
「広い視野で物事を見ること」
「俯瞰」には意味が2つあります。
1つ目は物理的な意味で「高いところから見下ろすこと」です。
2つ目は比喩的な意味で「広い視野で物事を見ること」
「客観的に物事の全体像を捉えること」です。
2つ目は1つ目の「高いところ見下ろすこと」が転じ、自分自身や自分の
置かれた状況を上から見て客観視するといった意味となりました。
この続きは、次回に。