お問い合せ

書籍「10年後の自分」を考える技術 ④

✔︎ 「まだ余裕がある状態」のときこそ、シナリオを考えなければいけない

 

自分たちの業績はさほど悪くないものだから、外部環境の変化を都合のいいように

甘く捉え、明るい未来、楽観的な未来を想定してしまう。

 

「まだ自分のなかに余裕がある状態」のときにシナリオを考えるべきであろう。

「健全な危機感」を持って未来を洞察し、その危機感を行動への動機づけにして

いくことが必要なのだ。

 

✔︎ 「あのとき、もっと考えておけばよかった」と後悔しないために

 

自分の意思と関係なく動く「まわりの環境」というのは誰にでもある。

たとえば、10年後は自分が10歳年をとるだけでなく、親も10歳老いる。

これは確実に起きることだ。

 

何度もくり返すが、今ほど「考えていなかった」コストが高い時代はない。

 

漠然と生きていると、いろいろな出来事が「想定外」ということになってしまう。

そのときに「あのとき、もっと考えておけばよかった」と悩み困ってしまうのは、

結局、自分なのである。

 

✔︎ 未来はけっして暗いものではない

 

今の時代、個人も企業も、環境の変化に対応しないと生き残っていけない。

 

シナリオ・プランニングの考え方を使えば、「起こりえる未来」を事前に

さまざまなかたちで想像し、それに対する対処法を考えておくことができる。

これは、将来のリスクを避ける目的だけでなく、自分の夢や目標に向かって

歩む道筋を具体化することにも使える。

 

いや、そのほうが主目的と言ってもいいだろう。

一度、客観的に「起こりえる未来」を考え、さまざまなリスクを理解したうえで、

その後、実現したい未来を手に入れるために主観的に行動するという感覚である。

 

未来はけっして暗いことばかりではないはずだ。

 

起業しようと思えば「1円起業」だって可能であるし、いったん退職して

キャリアチェンジを図ることだって、「転職組というレッテルを貼られて

不利になってしまう」ような時代ではない。

 

✔︎ 人生の選択肢は確実に増えている

 

仕事によっては、地方に住みネットを使った仕事をこなし、必要なときだけ

東京や大阪に出てきて取引先に会う、という働き方だってできる時代だ。

 

「人生の選択肢」は昔に比べて確実に増えている。

 

私たちが「健全な危機感」を持って、その気にさえなれば、できることは明らかに

増えているのだ。

だからこそ、世にあふれる「情報の海」に溺れてしまってはいけない。

情報の海から潮目を読み、海流を判断するスキルを身につけなくてはならない。

それができるようになれば、溺れることなく、未知の海にも「自分という船」を

漕ぎ出していける時代なのだと、今の若い人には思ってほしい。

まずは、「情報の海」から潮目を読むために、その「海」にあふれるさまざまな

情報(要素)をつなげて考える力、「つながり思考力」の話から始めよう。

何も海流などなさそうな海からどうやって潮目を読むかが、次章のテーマになる。

 

 

この続きは、次回に。

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