ブランディングが9割 ⑨
■ ブランドの認知
あなたのブランドは全国で、または地域でどれだけの人に知られている
でしょうか。「悪名は無名に勝る」と言います。
悪名である必要はまったくありませんが、ブランドにおいて無名は悪です。
「知られてナンボ」です。
人はよく知っている方を好み、信頼する傾向にあります。
何かを依頼するとき、知らない人より知っている人に頼むはずです。
つまり、ブランドにおける確固たる評価を得るためには、まず認知される
必要があります。
第7章でも説明しますが、ブランドは認知→理解→好意→愛着とステップを
踏んでいき、忠誠心の高いブランドのファンを増やしていくことがとても
重要です。
自分たちが考える認知度と客観的事実には、ギャップがあります。
認知されている場合とされていない場合とでは、行うべき策がまるで
違います。
ブランドが狙う市場でどれだけの人が知っているかを、極力正確に把握しま
しょう。ただ認知されていればよいというわけではなく、目指す方向と合って
いるかどうかも確認しなければなりません。
いかにブランドが認知され、理解されて好意をもたれているかを確認しま
しょう。
■ ブランドの資源(リソース)
社内でブレインストーミングなどを行い、自社にある資源(リソース)から
「自社ならではの強み」「他社に負けないところ」を挙げていってください。
商品であれば、商品の品質、スペック、産地、こだわりの原材料や製法、
デザイン力などがあるでしょう。また、サービス業であれば、立地、建物の
空間、技術力、接客、営業力、サービス、対応の早さ、企画力・アイデア
力などがあるでしょう。
もしないのであれば、他社にない「強み」を新たにつくることも一案です。
■ ブランドの伝統
歴史のあるブランドには伝統があります。
創業者や経営者、本部スタッフなどにヒヤリングしたり、「社史」「周年史」
「経営理念」といった社内資料や、雑誌・新聞に掲載された「歴代の社長の
発言」を徹底的に読み込むなど、ブランドの伝統・DNAとなるものが何かを
解き明かしてください。
比較的新しいブランドでも、経営者やブランドを立ち上げた人には想いが
必ずあり、それを明確にすることができます。
ヒヤリングでは、「なぜ立ち上げたのか?」「ブランドにとって一番重要な
ことは何か?」「将来残していきたいことは何か?」などを質問し、「会社の
アイデンティティー」を確認することで、コアとなる技術や先代から伝わる
哲学を再認識していきましょう。
この続きは、次回に。