お問い合せ

Coffee Blake-9月19日(土) ①

2020.9.19の日経新聞の記事で、「経営者という仕事は今、大きな分岐点に

立たされている可能性がある」という内容が目に止まり、ご紹介したいと

思います。

ご参考になれば、幸いです。

 

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 


2020.9.19 日経新聞 本社コメンテーター 中山 淳史

 

Deep Insight

 

DXは社長のためにある

 

「1兆ドルコーチ」という本にアップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏や

グーグル持株会社アルファベットのエリック・シュミット元会長らが、

「コーチ」と呼ばれた人物にいかに依存していたかが描かれている。

 

興味深いのは依存したのは戦略面とともに、主にメンタルな部分だったと

いうこと。

そしてコーチという職業が1980年代から米国に存在し、ほぼすべての

社長や最高経営責任者(CEO)が自分に合うプロフェッショナルと契約して

意思決定に関する日々の悩みを相談している。

そんな事実がわかることだ。

 

実は、日本にもコーチ(正式名はエグゼクティブコーチ)はおり、利用する

経営者は上場企業や外資系日本法人のトップなど1千人を超えるという。

 

日本コーチの草分けで、米国際コーチ連盟という機関の資格も持つ粟津

恭一氏(ソニー出身)に話を聞いてみると、自身の最大の仕事は「とにかく

質問をし続けること」と「経営者をDX(デジタルトランスフォーメーション)

導くこと」だそうだ。

 

一つ目の役割は米国と同様で、経営者の迷いをできるだけ和らげることだ。

 

専門知識や経験ではクライアントに及ばないが、自分がしている日々の

「自問自答」に見落としがないかどうかを経営者の多くは絶えず気にかけ、

「第三者の目」を求めているという。

粟津氏はそこに経営者が自分ではしないであろう質問を思いつくだけ浴びせ、

気づきや確信を得ていってもらう。

 

例えば、「あなたは世界で何番目に優れた経営者だと思うか?」といった

意表を突く質問もしばしば織り込む。

面談は一人あたり月2回。時間も胆力もいる仕事らしい。


□ 胆力とは、

 

事にあたって、恐れたり、尻ごみしたりしない精神力。

ものに動じない気力。きもったま


 

もう一つのDXはコロナウイルスの感染拡大が影響する。

多くの企業が在宅勤務に移行する中、「社長もリモート」というケースが

増えている。だが、「ズーム」などリモート会議システムのやり方がわから

なければ、人脈の維持・開拓が困難なばかりか、社内の仕事もままならない。

案の定、初対面の経営者にはズームの設定を秘書任せにしたり、電子メールしか

使えなかったりする人が多い。社内がデジタル化する一方で、置き去りに

されているのが社長だという懸念がある。

 

「経営者という仕事は今、大きな分岐点に立たされている可能性がある」

粟津氏は見る。

 

例えば、コロナ禍の前は「求心力」「集中」といった経営上の要素は比較的

容易に手に入れられた。

昨今は在宅勤務の広がりや移動制限によって「遠心力」と「分散」の中で

組織のパフォーマンスを上げていかないといけない。

 

人と人の関係も著しく変化する兆しがある。

オフィスからズームや「チームズ」に意思疎通の場が変わり、社内の誰と

誰がどこでつながっているかが見えなくなった。

今後はそれが当たり前の環境になり、「社長DX」なしには経営者がつながりの

外に置かれ、情報収集も人事もできなくなる。

 

乗り切るには発想の転換が必要かもしれない。

やはり社長DXに詳しいコンサルティング会社、デロイトトーマツグループの

松江英夫執行役は「リバースメンタリング」という手法に注目する。

 

製造業にはライバル企業の製品を分解し、どんな作り方をしたかを知る

リバースエンジニアリングという手法があるが、似た発想だ。


● DXとは、

 

デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital transformation)とは

「デジタルによる変革」を意味し、ITの進化にともなって新たなサービスや

ビジネスモデルを展開することでコストを削減し、働き方改革や社会そのものの

変革につなげる施策を総称したものです。

(英語では「Trans」を「X」と訳す習慣があるそうです)

 

 

この続きは、次回に。

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