「終活」を考える ④
● 遺言書の種類を把握する
遺言書が法的効力を発揮するためには、法律で定められた範囲内で
書かれている必要があります。
正式な遺言書の形式には「普通方式」と「特別方式」という2つの
種類があり、一般的なケースでは、普通方式を用います。
普通方式は、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の
3種類に分かれています。
・自筆証書遺言
自分で遺言書を作成する方式です。
手書きでなければならず、パソコン等を使った場合は無効とされる他、
遺言内容の理由を書いたり、遺言書の作成年月日を明記したりする必要も
あります。
・公正証書遺言
公証役場にいる公証人によって作成・発行・保管されるタイプの遺言書です。
公証人は公の権力を根拠に証明や認証ができる法律の専門家であるため、
遺言書の安全・確実・真正という点では3種類の中で最も優れています。
ただし、「作成期間を要する」「費用が発生する」というデメリットも
あります。
・秘密証書遺言
遺言書そのものは自分で作成し、公証役場に持ち込んで保管してもらう
方式です。
遺言の内容を自分以外の誰かに知られずに済むという特徴があります。
ただ、公証役場は保管のみを行い内容の確認はしないため、遺言を開封
した時点で記載に不備があった場合は無効になることもあります。
自筆証書遺言と違って代筆やパソコン等での記載が認められるという特徴が
ある他、公証役場を経由するため本人の遺言書であるかどうかの信憑性も
保証されます。
●遺言書が無効になるケース
自筆証書遺言は手書き以外認められず、秘密証書遺言では記載の不備で
無効になるケースがあります。
その他「押印や日付の記載がない」「日時が特定できない」「署名がない」
「本人以外の人が書いた(署名も含む)」「共同(2人以上)で書いた」
「相続する財産内容が不明確である」「公証人が2人以上いない状態で
書いた」「公証人に身振り手振りで伝えた(口頭で説明しない)」などに
該当する場合は、遺言書として認められません。
この続きは、次回に。