Coffee Blake-12月31日(木) 「私の履歴書」より
2020.12.31 日経新聞朝刊「私の履歴書」をご紹介致します。
なお、私が印象に残った箇所のみとなりますので、詳細は本日の
日経新聞を拝見して下さい。
2020.12.31
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
「私の履歴書」
福川 伸次(ふくかわ しんじ)
元通算次官
・社会の発展は人間力に依存し、その源泉は教育にある。
・東洋大学の経営に2003年から携わった。
私は12年から理事長となり、現在は総長をしている。
東洋大学は伝統的に哲学教育、グローバル教育、キャリア教育に重点を
置く。
・中国の教育を観察してきたが、21世紀に入ってからの研究力、教育力の
充実は目覚ましい。特に経営責任者、研究者の向上意欲が高い。
日本が学ぶべきことも多い。
・通産省を退官後、公務員時代とほぼ同じ32年が経過した。
その間、日本経済にとって国際性(グローバル)、創造性(イノベーション)、
文化性(カルチャー)が今後の指針となるという感を深くした。
経済が高度化すれば、人々はグローバルに文化価値の高いモノやサー
ビスを求める。文化はソフトパワーとして関心を集めている。
・私が電通総研時代に「日本力(ジャパナビリティー)の高揚」を提唱
したのは自己研鑽、異文化への寛容、そして自然との共存といった
日本文化の特色が世界に誇る魅力になると考えたからである。
・最近、世界のイノベーションはIT(情報技術)を軸に、人工知能、生化学、
電気自動車、高度医療、新素材、新エネルギーなど広範囲に展開されて
いる。しかし日本は米国や中国に大きく立ち遅れた。その再生が経済の
成長にも文化の創成にも急務である。
日本は次の国家目標を見つける必要がある。
・トランプ米大統領の登場で顕在化した米中の覇権争いのように文明は
時として対立を招く。しかし高度な文化には普遍性があり、革新性が
ある。
・深き大河は緩やかに流れる—–。
・国際性、創造性、文化性がこれから世界の潮流になる。
日本人がこの流れに沿って自らを高め、技術と文化を磨き、異文化と
交流し、自然と共存する社会を育んでいけば、世界に敬愛され、尊重
される存在になるに違いない。大河の趣を高めていくことができよう。
・人生の宝は、人との出会いだと改めて思う。
・新型コロナウイルスが世界を揺るがせた2020年が今日で終わる。
3年目に入る令和の時代は、素晴らしい日本の未来につながってほしい。
□ 自己研鑽
自分自身のスキルや能力などを鍛えて磨きをかけること。
□ 創成
初めてつくり上げること。また、初めてでき上がること。