書籍「すごい物流戦略」DHL⑧
● DHLはアマゾンを特別視しない
ところで、ここであらためて言うまでもないことですが、ECの巨人、
アマゾンの存在は年々その大きさを増してきています。
世界的に有名なコンサルティング会社、デロイトトーマツでは毎年、
「世界の小売業ランキング(Global Powers of Retailing)を発表していますが、
2001年度に157位だったアマゾンの順位は2016年度には6位まで駆け上がり、
来年度にはトップ3の座を捉えるのではないか、という見方もされています。
DHLは「Strategy 2020」内で「E-COMMERCE IS THE STRONGEST
GROWTH DRIVER」と掲げるように、EC対応をさらに進めていくことを
明らかにしています。
日本の国内市場とグローバル市場。
そもそも戦う舞台のスケールが異なるとはいえ、日本の宅配事業者にとって、
DHLのEC対応の3つの取り組み「密度増」「自動化促進」「BigB増」は
成長のヒントになるでしょう。
また、宅配がスムーズに流せるよう、アプリ、ロッカーによる配荷の
効率化が重点施策になるでしょう。
なぜ、DHLを取り上げたかというと、年間30日以上米国、10日以上
東南アジアで仕事をしていて、DHLの存在感が日々高まっているのを
肌で感じたからです。その成長戦略に興味を持ち、ドイツまで行って、
話を聞いてきました。
話を聞くと、その戦略に感心するのと同時に、成長力の源が戦略にあると
感じました。日本の宅配事業者にとってDHLの宅配は縁遠いものですが、
DHLのやり方は参考になるでしょう。
今後とも、注目すべき会社の1つであることは間違いありません。
この続きは、次回に。