Coffee Blake-令和3年4月11日(日) 「二十四孝」②
● 呉猛
呉猛(ごもう)は8歳であったが、家は貧しく、蚊帳を買う金もなかった。
呉猛は考え、自分の着物を親に着せ、自分は裸になって蚊に刺された。
それを毎日続けると、蚊も呉猛だけを刺し、親を刺すことはなくなったと
言う。
● 楊香
楊香と虎(歌川国芳『二十四孝童子鑑』)
楊香(ようこう)には一人の父がいた。ある時父と山に行った際に虎が
躍り出て、今にも2人を食べようとした。楊香は虎が去るように願ったが
叶わないと知ると、父が食べられないように「天の神よ、どうか私だけを
食べて、父は助けて下さいませ」と懸命に願ったところ、それまで猛り
狂っていた虎が尻尾を巻いて逃げてしまい、父子共に命が助かった。
● 張孝兄弟
張孝(ちょうこう)と張禮(ちょうれい)の兄弟は、飢饉の時に80歳を
超えた母を養っていた。木の実を拾いに行ったところ、盗賊が現れて張禮を
食おうとした。張禮は「私には一人の年老いた母親がいます。今日はまだ
母が食事をしていないので、少しだけ時間を下さい。母に食事をさせれば
すぐに戻って来ます。もしこの約束を破れば、家に来て一家もろとも殺して
下さい」と言って、母親の食事を済ませて盗賊の所に戻って来た。
張孝はこれを聞き、走って盗賊の所に行って「私の方が弟より太っています。
私を食べて、弟を助けて下さい」と言う。張禮は「これは最初の約束なので、
私が食べられます」と言って死を争った。それを見た非道な盗賊も兄弟の
孝行心に打たれ、このような兄弟は見たことがないと2人の命を助け、
さらに沢山の米と塩を与えた。兄弟はそれらを持って帰り、さらに孝行を
尽くした。
● 丁蘭
丁蘭(ていらん)の母が亡くなると、丁蘭はその死を悲しみ、母の木像を
作って生きている時のように尽くした。丁蘭の妻がある夜、母の木像の
顔を火で焦がしてしまうと、木像は腫れて血が流れ、2日経つと妻の髪の
毛が全てなくなってしまった。妻は何度も詫びをするが一向に変わらな
いので、丁蘭は驚いて木像を大通りに移し、妻に3年間詫びをさせた。
すると、一夜のうちに風雨の音がして、木像は元の場所に戻ったと言う。
● 王裒
王裒(zh)(おうほう)の父の王儀(王修の子)が時の皇帝の怒りに触れて、
罪も無いのに亡くなった。王裒はこれを恨み、皇帝の居る方角には決して
向かないで座った。王裒は父の墓の前で礼拝し、傍らにあった柏の木に
すがって泣き続けたために、柏の木は枯れてしまうほどであった。
母は雷が怖い人であったが、その死後も雷が鳴ると、王裒は母の墓に急ぎ
行った。
● 王祥
王祥(歌川国芳『唐土二十四孝』)
王祥(おうしょう)は母を亡くした。父は後妻をもらい、王祥は継母から
ひどい扱いを受けたが恨みに思わず、継母にも大変孝行をした。
実母が健在の折、冬の極寒の際に魚が食べたいと言い、王祥は河に行った。
しかし、河は氷に覆われ魚はどこにも見えなかった。悲しみのあまり、
衣服を脱ぎ氷の上に伏していると、氷が少し融けて魚が2匹出て来た。
早速獲って帰って母に与えた。この孝行のためか、王祥が伏した所には
毎年、人が伏せた形の氷が出るという。
この続きは、次回に。