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Coffee Blake-令和3年5月30日(日) 「ATM」

2021.5.27 日経新聞夕刊「私のリーダー論」について、ご紹介したいと

思います。

 

「 テルモ 佐藤 慎次郎社長/上 」の記事となります。

 

私の独断で、気に入った箇所のみ抜粋となります。

詳細は、インターネット等でご覧ください。

 

2021.5.30

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 


ニュースプラス 私のリーダー論

 

テルモ 佐藤慎次郎社長/上

 

 

〜挫折を経て「意識が目覚めた」〜

 

今年で創業100周年を迎える同社を率いる佐藤慎次郎社長は43歳で経験

した挫折が「リーダーとしての意識を目覚めさせた」と語る。

 

—-テルモ入社前にも転職を経験しています。

 

「最初に就職した石油会社では、早い段階で米国の大学院に経営学修士

(MBA)留学をさせてもらったり、経営企画に関わったりするなど、順調な

サラリーマン人生を送っていました。ところが1990年代の石油業界再編で

自分の将来に不安を感じ、コンサルティング業界に転職しました。

組織に甘えることができた環境から一変、頼れるのは自分の腕一本という

厳しい世界に入り、人生初の挫折を味わいました」

 

「バブル崩壊後の金融危機で、世の中全体が混沌としていました。

コンサルタントは自ら営業してプロジェクトを獲得してこなければ、何も

始まりません。そんなことすら知らなかったんです。部下も自分で雇い、

チームを運営していかなくてはならないのに、最初の1〜2年はまともに

仕事が取れませんでした。自分が苦しいのはもちろん、部下にも迷惑を

かけ、すっかり自信を失いました。

 

—-そこからどうやって立ち直ったのですか。

 

「実はそれまでリーダー的な仕事を避けていたようなところがありました。

性格的にも世代的にも『ガツガツするのはカッコ悪い』と、斜に構えて

いたのです。しかし、それではどうにもならない状況に追い詰められ、

初めてリーダーとはどうあるべきかを考えるようになりました。

 

「(経営学者の)ピーター・ドラッカーの本にヒントがありました。

『リーダーたる要件は、資質やカリスマ性ではなく、リーダーシップを

仕事と見ることである』『リーダーシップは誰もが持ち得るもの、再生産

できるものであり、そうでなければ組織は回っていかない』と書かれて

いました。それが真実なら、真面目にやれば私にもリーダーの仕事ができる

かもしれないと元気づけられました」

 

「自分がこれまでネガティブなことばかり口にしてきたことに気づきました。

そんな疫病神のようなリーダーには誰もついて行きたいと思わないし、

仕事相手としてもシンパシーが湧きません。リーダーになるために私自身が

ポジティブになろうと決意しました」

 

〜ポジティブに組織を引っ張る〜

 

「斜に構えていたのに、40歳にして宗旨替えです。しばらくすると、10人中

1人くらいは手を差し伸べてくれたり、一緒に仕事をしようと声をかけて

くれたりするようになりました。自分の態度次第でこんなにも人の反応や

流れが変わるのかと驚きました。

以来、私のモットーは『明るく、楽しく、前向きに』。

略して、ATMです。

 

—-ATMとは覚えやすくていいですね。

 

「これは日本IBMの元会長で経済同友会代表幹事なども歴任された北城

恪太郎さんがある勉強会でおっしゃったのです。『今日話した難しい事は

全部忘れていいけれど、ATMだけは覚えて帰ってほしい。

私が長いビジネス経験の中でたどり着いた境地だから』と。

私自身の経験ともぴったり重なったので、テルモ社内ではスローガンの

ように言い続けています」

 

〜ワンチームで価値共有〜

 

「今にして思えば、望んでもできない貴重な体験でした。

どんなに時流に乗っている企業や、歴史を持つ巨大企業てあっても、

たった1度の過ちでブランドごとなくなってしまう。

職業倫理や内部統制の重要性が身に染みました」

 

「恒例だった事業報告をやめ、世界中の社員をつなぐ共通の価値観に

ついて議論しました。最終日には参加者一人ひとりの名前を縫い込んだ

法被をプレゼントし、『いつもは地域や事業ごとに違うユニホームを

着ているけれど、我々はきょうワンテルモとして同じユニホームを着て

いる。この感覚を絶対に忘れないで』と訴えました。

サッカーでも普段は自分が所属するクラブチームのユニホームを着ている

けれど、4年に1度のワールドカップではナショナルチームのユニホームで

戦いますよね」

 

 

● 挫折

 

仕事や計画などが、中途で失敗しだめになること。また、そのために

意欲・気力をなくすこと。「資金不足で事業が挫折する」「挫折感」

 

● 混沌

 

1. 天地がまだ開けず不分明である状態。

2. すべてが入りまじって区別がつかないさま。

    「―たる政治情勢」「次期会長の人選は―としてきた」

 

● 斜に構える

 

1. 剣道で、刀を斜めに構える。

2. 身構える。改まった態度をする。

   「風上へ―・え、糸のように目を細くして立ち竦んでいる」

   〈里見弴多情仏心

3. 物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨む。

  「世間に対して―・える」

   [補説]この句の場合、「斜」を「ななめ」とは読まない。

 

● 疫病神

 

1. 疫病を流行させるという悪神。疫神。えやみのかみ。

2. よくないことを招くとして人から嫌われる者。

    「とんだ疫病神が舞い込んだ」

 

● シンパシー【sympathy】

 

同情。また、共感。共鳴。→エンパシー

 

● 宗旨替え

 

1. 信仰していた宗教・宗派を捨てて、別の宗教・宗派にかえること。

2. それまでの主義・主張・趣味などをかえて、他の方面に転じること。

   「―してワインを飲み始める」

 

● 境地

 

1. その人の置かれている立場。「苦しい境地に立たされる」

2. ある段階に達した心の状態。「悟りの境地」

3. 芸術などの、分野・世界。「新しい境地を開拓する」

4. 場所。土地。環境。〈日葡

 

● 時流

 

その時代の社会一般の風潮や、思想の傾向。「時流に乗る」

「時流を超えた作品」


 

私が一番参考になった事は、〜挫折を経て「意識が目覚めた」〜という

ところです。

誰しも順風満帆ではない、という事です。挫折や困難、壁等いろいろと

生きていれば経験します。どのようにして乗り越えるか、が大事だと

思います。

 

● 順風満帆(じゅんぷうまんぱん)

 

物事がきわめて快調に進んでいるさま。支障なく経過していること。

船の帆が、追い風を受けて、いっぱいに張っているという意味から。

注記  「順風」は追い風。「満帆」は風を受けてふくらんだ帆で、

    「まんぽ」とは読まない。

 

これからも、挫折や困難、壁等に打ち当たる事でしょう。

その際は、「テルモ  佐藤 慎次郎社長」の経験を参考にしたいものです。

 

          『アカルク、タノシク、マエムキニ』=ATM

 

 

2021.5.30

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

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