Coffee Blake-令和3年8月29日(日)「営業知識」④-1
商材によっては営業リスト作成からクロージング、アフターフォローまで
デジタル営業で完結できます。新規開拓強化やマーケティング、既存顧客
フォローのみなど、部分的にデジタル営業で対応することも可能です。
昨今のITシステムはクラウド型のサブスクリプションモデルが多く、
低コストかつ解約も簡単なためリスクもあまりありません。
● デジタル営業がなぜ大切か
デジタル営業が大切な理由は、インターネットの普及によりお客様の消費
プロセス、企業の購買プロセスが変化し、デジタル上で購入の是非を判断
することが多くなったためです。
昔はお客様が何社かの営業マンを呼んで相見積もりをとったり、比較表を
作成したりしなければならなかったことが、今は相見積もりサイトを
1クリックすればできてしまいます。
商品のデザインやキャッチコピーなどもクラウドソーシングで募集すれば
短期間で大量の提案があります。
情報収集を営業マンに頼らないどころか、営業が介在する必要すらなく
なっている状況も出てきつつあります。
一方で、ビジネスのデジタル化は営業する側にもメリットがあります。
デジタル化により、これまでより低コストで効果的な営業戦術をとれる
ようになっています。
● デジタル営業のメリット
ここでは、デジタル営業のメリットを紹介します。
● 地方 → 全国に営業エリアを拡大
デジタル営業は、アナログでは接することができないさまざまなお客様と
コミュニケーションができます。
中堅・中小企業は、これまで資金や社員数の少なさゆえに拠点を増やす
ことが難しかったと思いますが、物理的な拠点を構えなくてもデジタルを
活用すれば簡単に全国のお客様へアプローチすることが可能です。
Webサイトで集客したお客様にはメールで最新情報を定期的に送ることが
できますし、関心が深まったお客様にはオンラインセミナーを見てもら
ったり、Web会議システムで打ち合わせをすることが可能です。
北海道から沖縄の離島のお客様までコミュニケーション上の支障はほぼ
ありません。全国にお客様を増やすことができるのです。
● 新たなお客様層を発掘できる
自社サイトに訪れる方の「検索したキーワード分析」を行うことで、
これまで気づかなかった新しいお客様層を発見できる可能性があります。
また、意図的に発信する情報を変えることで「大企業だけ → 中小企業も
対象」、「中年男性だけ → 若者や女性、高齢者も対象」というように、
さまざまな層のお客様にアプローチすることが可能です。
商品は同じまま、お客様の層を拡大できる可能性があります。
● 商談件数のアップ、売上げ増加
オンライン商談ツール、ビジネスチャットなどを活用すれば、営業マンは
1日に多くのお客様とコミュニケーションをとることができます。
前述のとおりアナログ営業には「移動」というムダな時間がかなりあり
ますが、全営業マンが訪問すべき商談とオンライン商談を使い分けて動く
ことができれば、商談件数をかなり増やせるでしょう。
あるいはインサイドセールス部門と営業部門を分業して、大きい案件も
小さい案件もフォローをしっかり行うことでトータルで商談件数を増やす
手法もあります。いずれにせよ、商談件数が増えれば売上げ拡大が期待
できます。
● デジタル営業のデメリット
もちろん、デジタル営業も万能ではありません。
ここではデジタル営業のデメリットを紹介します。
● 文章、テキストによるコミュニケーションの難しさ
デジタル営業はメール、チャットなどでコミュニケーションをとることが
多くなります。文章や言葉だけで会社や商品の価値を感じさせるためには、
それなりの言語化スキルが必要です。ちょっとした表現で誤解を招いて
しまうこともあります。SNS営業を行う場合も、注意しないとうっかり
漏らした一言で炎上する可能性があります。
記録が残るのがデジタルの怖いところです。アナログ営業のように閉ざ
された空間ではなく不特定多数が見ることのできる場所で、意見を発信
するリスクがあります。
● デジタル営業も迷惑がられる
ネットで面白そうな記事だとサイトを開くと、すぐ大きなPOP広告や
チャットボットが出てきて気持ちが引いてしまった経験はないでしょうか?
まるで店舗に入ったらすぐ販売員さんにはりつかれる感じです。
アナログ営業以上に「押せ押せモード」に感じるサイトは少なくありません。
デジタル営業とはいえ購入するのは同じ人間なのでやはり間合い、気配りは
大切です。相手の顔が見えないデジタル営業は、お客様の不評に気付き
にくいところがあるかもしれせん。
下手をするとイメージダウンにつながりかねないので、Web制作の際は
制作会社に丸投げするのではなく、できるだけ営業マンの意見も反映して
もらいましょう。
● リアルタイムでお客様のニーズに対応できない
デジタル営業はMA(マーケティング・オートメーション)を導入して
お客様にメールアドレスを登録してもらい、インサイドセールスが見込み
客を絞り込んでいく仕組みで営業するスタイルが現状では多いと思います。
KPIも設定され、トークスクリプトなどもしっかり用意され組織的に
動いているかと思います。だからこそ今日、明日という急なニーズに
臨機応変に対応できず、アナログ営業マンのニーズがあればすぐ駆けつけ
たり、トラブルをすぐフォローする対応に比べて後れをとってしまうことは
あるかもしれません。
ビジネスでは「素早い対応」が好まれることは多いので、ここはやや
デメリットと言えます。
この続きは、次回に。
④ー2では、「言葉の意味」を一覧でご紹介致します。