Coffee Blake-令和3年10月25日(月)「政策課題を聞く」
日経新聞 2021年10月19日「政策課題を聞く」の記事について、ご紹介致します。
2021.10.25
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
<政策課題を聞く>
成長導く起業支援を
ディー・エヌ・エー会長 南場 智子氏
● 与野党ともにスタートアップの育成を重視しています。
諸外国に後れる日本は何から取り組むべきでしょう。
「成長している国では、次から次へと大成功する企業が出て経済をけん引
している。日本にもスタートアップのエコシステム(生態系)が要る。
優秀な人材が新卒一括採用で大企業か官庁に吸い込まれていく仕組みを
わかりやすく壊すべきだ。コーポレートガバナンス・コード(企業統治
指針)は中途採用の登用目標を入れた。これが一番意味のある多様性だ。
退職金制度なども含めて『1カ所に長くとどまることが優秀かつ得』と
いう意識から変えなければいけない」
「政府は企業に多様性を求めるが、それにはまず教育から変える必要が
ある。日本は『間違えない達人』の量産制度になっている。
人のやらないことに夢中になるのが起業家の条件だ。
多様な人材をまとめるリーダーを育成するため、自分の情熱を共有する
一方で他人の個性も尊重する力を養うという観点も欠けている。
海外留学を通じて、20代前半までに日本を客観視できる視点を養う必要も
ある」
● 国境を超えた競争が加速しています。
日本が勝ち残るにはどんな取り組みが必要ですか。
「一番大事なことは徹底的にオープンにすることだ。
中国色が濃くなる香港の後釜を狙って、アジアではシンガポールやソウルが
競っている。
『日本人の税金だから日本企業に対象を限る』では結局尻すぼみになる。
家賃や税金をすべてタダにするくらいの勢いで、エコシステムの形成に
欠かせない世界トップ企業を誘致すべきだ」
「日本のスタートアップは小規模の段階で新規株式公開(IPO)する傾向に
ある。大企業や公的機関がスタートアップに対するM&A(合併・買収)や
資金供給に力を入れることで、非上場でも欧米に負けない巨額の資金調達が
できる環境を整える必要がある」
● 省庁制度がビジネスの急速な変化に対応しきれていないという
指摘もあります。
「既得権益を守る規制が多すぎる。改革のリードタイムも長い。
霞ヶ関の問題は省庁が規制単位でできている点にある。
日本経済が右肩下がりで反転攻勢をかけようという現在は、目的を上位
概念に置いて組織作りが要る。
そうした観点から『スタートアップ庁』の設立が有効ではないかと考えて
いる。既存官庁は人材や専門家の待機所になっていくイメージだ」
「米国では国防総省が発注する政府の仕事が企業を育てている。
宇宙産業などがその典型だ。
個人的な意見として、補助金はスタートアップを弱くするので必要ないと
考えている。政府調達などにスタートアップの問題解決力をうまく活用し、
ビジネスを通じて育てていくことが大事だ」
● 政財界問わず「資本主義を見直すべきだ」という意見が多く
出ています。
「そもそも社会性のない企業は価値が上がらない。
日本企業は(売り手よし、買い手よし、世間よしの)『三方よし』を実践
してきた。その強みを生かして社会性の課題をクリアしつつ、世の中に
貢献する事業で収益を拡大していく必要がある。
成長しないことの逃げ口上にならないよう気を付けるべきだ。
若い人たちが経済的成功を目指すことにネガティブな印象を与えてはいけ
ない」(聞き手は杉原淳一)
いろいろと参考になります。
起業家であり、結果を残している経営者である方の意見を聞くと納得が
行きます。
何故、このような方々が政治家として活躍していただけないのか、〝勿体
ない〟気が致します。
2021.10.25
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美