Coffee Blake-令和3年10月26日(火)「資格受験料上げ」
読売新聞 2021.10.21に「資格受験料上げ」と題した記事が掲載されて
おりました。
私もこれまでに何度か、資格取得を目的に受験料を支払ったことがあります。
また、「資格更新」の通知が届くと、更新料も支払っております。
この記事内容には、〝納得〟〝その通り〟と同感致します。
〝段取り〟や〝経費節減〟等々を考えるならば、〝簡単に値上げ〟で補う
べきでは無いと思います。
これまでの〝利益の蓄積〟は無いのでしょうか。
〝更新料〟は、「雑収入」ではないでしょうか。
毎回、〝赤字〟だった訳では無いと思うのですが。
2021.10.26
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
■ 資格受験料上げ
福祉やIT人材難拍車も
社会保障部 野島正徳
福祉やIT(情報技術)分野の国家試験で、国が決める受験料の値上げが
相次いでいる。
試験会場での消毒など新型コロナウイルス対策費がかさむためだ。
共に人材不足が深刻な分野で、悪影響を懸念する声が出ている。
戦略的な担い手の確保に向け、志願者の経済的な負担の軽減策が求めら
れる。
今秋以降の国家試験の受験料は、介護現場で中心的な役割を担う介護福祉士が
前年度比20%(3080円)増の1万8380円となり、社会福祉士は26%、精神
保健福祉士は375値上げされた。
サイバーセキュリティー(インターネット社会の安全性)に関する高度な
知識と技能を備えた情報処理安全確保支援士や、12の専門分野からの
情報処理技術者の受験料は32%の値上げで7500円になった。
これらの国家試験の運営費は受験料収入で賄うのが原則だ。
介護福祉士の昨年度の試験では、コロナ禍で消毒などの機材をそろえ、
複数の会議室を借りるなどして会場を分散させたことで運営費がふくらみ、
「受験料収入では賄いきれず、赤字が出た」(厚生労働省)という。
今年度はコスト上昇分を転嫁せざるを得なかった。
ただ、介護業界は慢性的な人手不足が指摘されている。
介護福祉士はかつて15万人以上が受験していた時期もあったが、2020年度は
約8万4000人だった。国は団塊の世代(1947〜49年生まれ)が後期高齢者と
なる25年度には、介護職員を現状よりも約32万人増やす必要があるとの
試算を公表している。
学生や働きながら資格取得を目指す人には、数千円の値上げの影響は
決して小さくない。
日本総合研究所の福田隆士シニアマネージャーは「長期的にみると、
介護現場で需要が高まる人材の確保を難しくしかねない」と語る。
公益社団法人・日本介護福祉士養成施設協会では「受験料の設定が、
年によって上下するのでは公平性を欠く」として、国に業務の効率化や、
生活困窮者の受験料の減免を求める意見書を提出した。
担い手となる志願者の減少を懸念し、兵庫県明石市では、福祉関係の
資格の受験料について、値上げ分を助成して負担を軽減することを決め
るなど、支援の動きもある。
IT業界でも、「ITの活用で産業競争力の強化や業務の効率化を進めようと
する流れに、(値上げは)そぐわないのではないか」との声がある。
一般社団法人・日本IT団体連盟の長谷川亘筆頭副会長は「IT業界の人材
不足は30年来の懸念で、技術者の育成は日本の国力に直結する重要課題だ。
若い技術者や学生が受ける初歩的な試験は受験料を安く設定するなど、
人材を増やすための施策が求められる」と話している。
■ 受験料値上げの例
・介護人材
2025年度に今より約32万人増やす必要あり(厚生労働省試算)
▶︎ 介護福祉士 1万8380円(昨年度比20%⬆️)
▶︎ 精神保健福祉士 2万4140円(同37%⬆️)
・IT人材
2030年に最大約79万人不足する(経済産業省試算)
▶︎ 情報処理技術者(ITパスポート、基本情報技術者など12区分) 7500円(昨年度比32%⬆️)
※ 経済的負担を避けるために受験忌避につながる(介護関係)
※ 国が進める成長戦略に沿わないのではないか(IT関係)