「人を動かす人」になれ! ⑬
16.人を動かす人間に土日も盆も正月もない
年間約三○回の海外出張に加えて、国内のユーザーを頻繁に訪ね、こう
した合間を縫って、事業所、関連会社を定期訪問する。
ウイークデーで本社に出られるのは週に一日か二日。
その日も来客や取材などのスケジュールがビッシリと詰まっている。
必然的にまとまった仕事が落ち着いてできるのは日曜ということになる。
つまり、経営者として本来やらねばならない会社や組織全体の流れの把握、
トップにしかできない判断や決断などは、日曜日に集中して行うのである。
というのも、経営というのは結果がすべてであるからだ。
いくら社員が忙しく働いていたとしても、利益が出なければ意味がない。
要するに、社員に「もっと働こう」とハッパをかけるかぎりは、決算ごとに
「社員の皆さんに頑張ってもらったおかげで、今期はこれだけの利益を
出すことができました。そこで前期よりもこれだけ上積みして皆さんに
利益を還元します」と胸を張って報告できる結果を出さなければならないと
いうことだ。
これが会社の規模の大小を問わず経営トップの責務であり、多数の社員や
部下、そして組織を動かす原動力でもある。
つまり、経営トップがこうした責務を果たさなければ、人はついてこないし、
ましてや動かすこともできない。そのためには土曜とか日曜とかいっては
おれない。経営者には盆も正月もないというのがわたしの考えだ。
ナポレオンの睡眠時間は一日三時間だったといわれているが、これぐらいの
犠牲と奉仕の精神がなければ経営者になるべきではないと思う。
この続きは、次回に。