「人を動かす人」になれ! ㉔
27.絶対忘れてはならない、指示を出す手順
わたしは「会社は終わりのないドラマ」だと思っている。
最初はまったくの白紙の状態から、スタッフを集めてどんなドラマを
つくるのかというイメージを描き、シナリオをつくってキャストを選んで
いく。テレビのドラマなら本番が終わればそれですべてが終了するが、
会社の場合はエンドレス。毎日がリハーサルと本番の繰り返しだ。
各部門や社員一人一人には、ドラマと同じように役が与えられる。
その役を見事に演じ切った人は喜びや満足感も大きくなるが、それよりも
はるかに大きい感動は、全員の心が一つになってしまう。
こんなところも会社とドラマの共通点である。
では会社における部門の役割とは、いったい何か。
それを永守流にまとめたものが、次の「会社各部門の役割」である。
・利益を生み出すのは製造部門
・会社の将来をつくり出すのは技術開発部門
・会社を成長させるのは営業部門
・よい会社に導くのは間接支援部門
・会社を強くするのは経営者
エッセンスだけを凝縮し、簡潔明瞭にまとめた。
各部門のリーダーはこの短いセンテンスの上っ面だけでなく、奥にある
深い意味も読み取ってほしい。
たとえば、製造部門は利益を生み出すとなっているが、そのためには価格や
コストダウンはもちろんのこと、品質や納期、ヒト、設備、他部門との
連携なども含めて利益アップを図っていく必要があるということだ。
まずは、言葉の意味を正確に理解する。そして、自分なりの解釈を加えて
部下一人一人の仕事のなかに落とし込んで、具体的に何をすべきかの目標を
与えて、指示を出す。指示も出しっぱなしにするのではなく、進捗具合の
チェックやフォローも行い、目標を達成するまで見届ける。
これがリーダーの本来やるべき仕事で、目標設定や指示が適切であれば
部下は必ず動く。この手順を忘れてはならない。
● エンドレス(endless)
[形動]終わりのないさま。無限。「―な戦い」
● リハーサル(rehearsal)
演劇・音楽・放送などで、本番前に行うけいこ。予行演習。
● エッセンス(essence)
本質的なもの。最も大切な要素。精髄。
● センテンス(sentence)
文。句点によって分けられた一つづきの言葉。
● 簡潔明瞭
「簡潔」は短く簡単で分かりやすいことをあらわし、「明瞭」は見やすく
はっきりしていることをさす言葉です。上記の事から「簡潔明瞭」とは、
単純で理解しやすく、はっきりとしていることを意味する四字熟語です。
同じような意味を持つ言葉には、単純明快や簡単明瞭などがあり、簡潔
明瞭と同じくわかりやすい様子をあらわししています。2018/04/02
● 解釈
1. 言葉や文章の意味・内容を解きほぐして明らかにすること。
また、その説明。「徒然草を―する」「英文―」
2. 物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解すること。
「善意に―する」
● 進捗具合
物事が進んでいる状況のこと。
「仕事の進捗状況」などといった具合に、「特定のものごとが今どこまで
進んでいるのか」という進行の度合いを特に指す。
● チェック(check)
点検、調査、確認などをすること。
「あの店は要―」「周辺の病院を―しておく」
● フォロー(follow)
足りないところや仕損じたところを後から補うこと。
「初心者をベテランが—-する」
この続きは、次回に。