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「人を動かす人」になれ! ㊳

42.短所にこだわるな!

 

最近わたしは血液型に関心をもっている。もちろん、血液型だけで判断

しているわけではないが、一般的な傾向としてO型は自殺しない、つまり、

あまりクヨクヨと悩んだり落ち込んだりせず、比較的簡単に気分転換が

図れるタイプ。

これと正反対の性格がA型で、繊細な神経を持ち、やることも几帳面で

ソツがない。B型は親分肌で少なからず頑固な面があるといわれる。

これを応用すると、適材適所に社員を配置することができる。

たとえば、新規のユーザー開拓の先陣を切るのはO型タイプ、そしてクロー

ジングが近づいてくるとA型タイプにバトンタッチして、最後の詰めを

任せる。逆に、世界で初めてというような商品開発にA型タイプの責任者を

選ぶとプレッシャーにつぶされてしまう恐れがある。

そこで責任者はO型かB型タイプ、補佐役としてA型タイプをつけるといった

具合だ。

適材適所は古くからいわれ続けてきたことだが、何をもって適材適所と

するのかあまり明確にはなっていない。人材難になると本人の希望を優先

する意味で使われたり、ほかに適切な部署がないために止むを得ず配置

する場合の便宜上の言葉になっているケースもある。

あり余る人材を抱える超大手企業なら話は別だが、ただでさえ優秀な人材が

不足している中堅、中小企業にあっては、これは真剣に検討しなければ

ならない問題であろう。

個性も同じである。わたしは個性というのは、その人の長所というよりは

短所だと思っている。頭の回転が早く、素直で、人当たりもよいといった

欠点の少ない人を個性的だとはいわない。汁粉や饅頭の餡に少量の塩を

加えることによって、より一層の甘さを引き出すように、マイナス要素が

含まれていてこそ個性的といえるのだと思う。したがって、経営者や

リーダーは部下の短所が致命的なものでもないかぎり、これにこだわって

無理に改めさせようとするのは適切ではない。それよりも、マイナス

要素こそより強い個性だと認め、この足りないところは全面的にカバー、

フォローしてやるという姿勢が不可欠となる。

二一世紀は個性の時代だ。

会社のどの部門を見渡しても、まるで金太郎飴のような十把一からげの

社員ばかりでは、行く末は見えている。自分とは性格も考え方も物事の

進め方も何もかもが違う異質な部下を使いこなす。

これからの経営者、リーダーに与えられた大きなテーマの一つは、どこ

まで部下の個性を伸ばしてやることができるかどうかである。

 

● 適材適所

 

その人の適性や能力に応じて、それにふさわしい地位・仕事に

就かせること。

 

● 致命的

 

1. 命にかかわるさま。命を失いかねないさま。「―な傷を負う」

2. 損害や失敗などが、取りかえしがつかないほど大きいさま。

  「―な痛手を受ける」「―欠陥」

 

● カバー(cover)

 

不備・不足などを補うこと。「欠点を―する」

 

● フォロー(follow)

 

足りないところや仕損じたところをあとから補うこと。

「初心者をベテランが―す

 

● 金太郎飴

 

1. どこを切っても切り口に金太郎の顔が現れる棒状の飴。

2. (1から転じて)似たり寄ったりで違いのないこと、画一的で

    あることのたとえ。「今年の新入社員は―だ」「―的な補助金政策」

 

● 十把一からげ

 

十把一絡げ」とは「多彩な種類のものを、区別なくひとまとめで扱う

こと」という意味で使われることばです。読み方は「じっぱひとからげ」。

「何でも十把一絡げにして考えるな」のように、本来個別に扱うべきものを

1つにまとめて扱っていることを表現します。2021/01/20

 

● 行く末

 

1. これから先のなりゆき。前途。将来。行く先。「子供の―を心配する」

2. 進んで行く道の果て。行く手。

  「流れ出づる涙の川の―はつひに近江の海とたのまむ」〈後撰・恋五〉

 

 

この続きは、次回に。

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