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Coffee Blake-令和3年12月24日(金)「経営の視点」

日経新聞 2021年(令和3年)12.20「経営の視点-地場零細に宿る価値」の

記事が掲載されております。

 

私は、ほぼ毎日、スーパーで買い物をしております。

また、近々では、関西スーパーとオーケーとのTOB等のニュースを良く

目にしておりました。

私は「代表のブログ」でも私見を述べておりますが、少子高齢化に向かって

いる中で、多くのスーパーが凌ぎをけずって「生き残り」をはかっていると

思っていました。しかし、今回の「経営の視点」を読み、私のスーパーに

関する知識が間違っていたことに気づきました。

 

「生き残りをかける」ではなく、「すみ分けを進めている」ことに。

 

それでは、記事をご紹介させていただきます。

 

2021.12.24

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

経営の視点

 

    編集委員 田中陽

 

 

流通、11兆円支える270社と3社

 

私たちの生活に欠かせないスーパーとコンビニエンスストア。

身近な存在の両者の市場規模は約11兆円(業界団体調べ)でほぼ同じ。

ところが企業数では全く違う顔を見せる。

スーパーは約270社に対しコンビニは大手3社で約9割を占める。

スーパーはさぞかし苛烈な競争を演じているかといえば主要都市の住宅地

周辺などの局地戦を除くと、そうではない。すみ分けが進む。

コンビニは厳しい競争にさらされ、再編が繰り返され、寡占でも競争環境は

変わらない。この違いを今日的な言葉で表現すれば「多様性と同質性」の

差だろう。

国土が狭いニッポンだが、同一法人として全国展開する食品スーパーは

存在しない。最大の小売業、イオンが展開する「マックスバリュ」などは

約15の地域法人に分かれている。同グループは幾度となく集約化を検討

したが食文化、食習慣を尊重すると中央集権型でなく、地域密着の分散

経営に落ち着いた。

全国一律価格のはずのイオンのプライベートブランド(一部)は地域の相場観を

考慮して変えている。幹部の中には新天地に赴任すると、店舗の従業員に

「我が家の自慢料理」を作ってきてもらいその違いを五感で知ろうとする

人もいる。

川一本を挟んだだけで味噌やしょうゆの味や色が異なる。

餅の形も丸や四角に。水の違いもある。

日本には、しょうゆ、味噌のメーカーがそれぞれ1000あり、こうした

商品をスーパーに届けるのが地域に根を張る食料・飲料卸売業。

事業所数は約3万5000。メーカーも零細だから量産は難しく、それが郷土

料理として輝く。卸も零細だが、それゆえに地域のひだに入り、庶民が

慣れ親しんだ味覚、舌の記憶を支える。

豊かで共同体的な市場経済がエコシステムとなる。

スーパーの経営理念にはSDGs(持続可能な開発目標)という言葉が存在

しない時代から地域との共存、奉仕、恕(じょ)の精神、誠実さなどの

持続的な考えを盛り込んでいる会社が多い。

それは日々の商売を丁寧に行うことでしか信用と資本を積み重ねることが

できなかったからだ。

顧客情報管理(CRM)、デリバリー、電子決済などのデジタルの武器がない

時代からご用聞き、配達、ツケ払いというアナログによってリアルな世界の

顧客の顔を知ろうとした。

コンビニはどうか。全国制覇を目指したスーパーから多くのコンビニが

生まれ、大手3社は全都道府県に看板を掲げるまでに成長した。

強靭(きょうじん)な情報システムで効率経営に磨きをかけ、規模を生かした

調達によりコンビニ主導で商品化するビジネスモデルを作った。

狭い売り場で高速回転で人気の商品をさばき続けて利益を稼いだ結果が

同質化。地域性を意識はするが地場スーパーには及ばない。

コンビニ経営の間尺には合わなかった。

再編で目指した寡占の果実は逃げ水だった。

コロナ禍でいろいろな産業で再編が加速している。

流通業も例外ではないが、再編、寡占に勝者はいるのか。

そうした資本と競争の論理とは一線を画し、地域社会を守るところに

存在価値が宿るはずだ。

 

● 苛烈(かれつ)

 

厳しく激しいこと。また、そのさま。

「―をきわめる戦闘」「―な生存競争

 

● 寡占(かせん)

 

少数の供給者が市場を支配している状態。

買い手が少数の場合を買い手寡占とよび、

これと区別して特に売り手寡占ともよぶ。

 

● 多様性

 

いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。

「生物の―を保つ」

 

● 同質性

 

二つ以上のものの質が同じであること。 また、そのさま。

 

● 集約化

 

ひとつに集めること、集約された状態に変えること、などを

意味する表現。

 

● ひだ

 

衣服のひだのように見えるもの。精神的なものについてもいう。

「山の―」「心の―に触れる」

 

● エコシステム

 

エコシステムは、元々は生態系の用語です。

ある領域(地域や空間など)の生き物や植物がお互いに依存しながら

生態を維持する関係のようすをエコシステムと呼びます。

 

● 恕(じょ)の精神

 

相手の身になって思い、語り、行動すること!2017/05/09

 

● 強靭(きょうじん)

 

しなやかで強いこと。柔軟でねばり強いこと。また、そのさま。

「―な肉体」「―な意志」

 

● 地場スーパー

 

まず「地場スーパー」という言葉について、これには明確な定義はないが、

ここでは「特定の地域のみ、あるいは特定の地域に偏って立地している

スーパー」と定義したい。つま り、1 店舗のみのスーパーマーケット

地場スーパーだと言えるし、仮に 100 店舗あったと しても、特定の地域に

集中して立地していれば地場スーパーである。2015/06/30

 

● 間尺に合わない

 

割に合わない。 損益がつりあわない。 損になる。

 

● 果実

 

精神的・肉体的な働きの成果。みのり。


 

私たちの〝台所〟として、大変、便利なスーパーやコンビニ。

特に、惣菜やレトルト等は〝共働き世帯〟にとっては、大変、有り難い

ものです。また、新型コロナウイルスの影響拡大で、電話一本で注文した

商品が自宅に届くという、大変、便利な時代になりました。

私は、趣味が料理作りですが、これからは自宅で料理を作るということ

は、ますます減少するのではないでしょうか。

 

家計や健康を考えますと、自宅で調理することのメリットはあります。

余りに手軽さを優先することが、良いとは思いませんが〝時間の有効活用〟

を考えますと時代のニーズなのでしょう。

夫婦で、スーパー等で食材をまとめ買いし、いろいろな料理をバランス

よく作り、食卓を囲む風景は、私たちの新婚時代や家族の定番でした。

いろいろなスーパーの新聞チラシを毎日、拝見致します。

競争が激化している小売業では、市場調査を含め、ほぼ似たような商品が

店頭に並んでおります。

〝商品の差別化〟を図るために商品開発に力を注ぎ、商品化しても他社が

すぐに追従するのですから、なかなか差別化はすすみません。

 

〝美味しく〟て〝安く〟て〝バランスを考えた〟料理構成で、是非、

食卓に並べていただければと思います。

残念ながら、昔のように〝大家族〟が減少し、〝一人暮らし〟や〝夫婦

世帯〟では、昔話に近いかも知れませんが。

 

今日は、〝クリスマスイブ〟。

 

我が家は、共稼ぎの為、やはり、スーパーで買い物をして、簡単に過ごす

予定です。新型コロナウイルスの影響拡大が再燃しつつあります。

感染拡大につながらないように、心がけたいものです。

 

2021.12.24

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

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