お問い合せ

「人を動かす人」になれ! ㊵

44.部下の成長は、「眼光」と「顔光」、そして声の大きさでわかる

 

わたしは、毎年入ってくる新入社員が人間として、組織人としてどのように

成長していくのかを興味深く見守っている。とりわけ注目しているのが、

目つきと顔つきである。

一般的に入社直後の新人は、勉強疲れというよりは遊び疲れが残っている。

目には輝きがなく、顔にツヤもない。だが、四年間運動部でみっちり体力を

鍛え上げてきたような新人は、キリッと顔全体が引き締まって見えることが

ある。入社したときには、たるみきった目つき、顔つきをしていた者でも、

真剣に仕事に取り組む気構えさえできてくれば、早ければ半年から一年、

遅くても三年ぐらいで凛々しい若者の顔へと変化していく。

その変化をもたらすものが、生きていくうえで、あるいは仕事をするうえ

での「苦」の道と「楽」の道があれば、「楽」の道を選びたくなるのが

人の常だ。仕事でミスをすれば、「自分が悪かった」と反省するよりも、

「相手が悪かったから」という言い訳が先に立つ。しかし、「自分にも

落ち度があった」と自ら「苦」を背負うことができる度量の持ち主は、

目つき、顔つきに輝きが増してくる。さらに、人生や仕事の修羅場を

くぐり抜けた若者は、たとえようもない光を放つようになる。

まさに、「眼光」と「顔光」こそ、成長のバロメーターである。

一方、揺るぎない自信の大きさをはかるメジャーが「声」である。

入社した当初は口先だけでボソボソとしゃべっていた若い社員でも、自分の

力で何かをやり遂げたという経験を一つ積み重ねていくたびに、声が少し

ずつ大きくなっていく。それも、単なる人の話の受け売りではなく、

いったん頭のなかで咀嚼した自分自身の言葉で、自分自身の考え方を

はっきりと主張できるようになる。

「人間の魅力というのは、学歴とか学力などではおしはかれるものでは

ない。未来に対し、自己の持つ知力と体力を結合し、それをほとばしる

エネルギーに転化できるかどうかにある。

志に向かう一途な魂の燃焼こそ魅力の根幹である」

これはわたしの好きな言葉の一つであるが、経営者には仕事を通して

すべての社員の魅力を引き出してやるという心構えが不可欠だ。

わたしは毎年桜の花が咲くシーズンが待ち遠しくて仕方がない。

 

● 眼光

 

1. 物をじっと見つめるときなどの、目の光。目の輝き。

  「―鋭く人を射すくめる」

2. 物事の真意を見通す力。観察力。眼力 (がんりき) 。

 

● 凛々しい

 

凛々しいりりしい)とは、「態度、動作、表情などがきりっと

引き締まっていること」や、「力強さや意志の強さが感じられて、

頼りがいがあること」という意味があります。2020/05/21

 

● 度量

 

1. 物差しと枡 (ます) 。転じて、長さと容積。

2. 他人の言行をよく受けいれる、広くおおらかな心。「―が広い」

 

● 修羅場

 

血みどろの激しい戦いや争いの行われる場所。

しゅらじょう。「―をくぐりぬける」

 

● バロメーター(barometer)

 

状態・程度を推し量る基準となるもの。指標。

「食欲は健康の—となる」

 

● メジャー(measure)

 

1. 物差し。巻き尺。

2. 基準。尺度。

 

● 咀嚼

 

 言葉や文章などの意味・内容をよく考えて理解すること。

「名言を―して味わう」

 

● 転化

 

ある状態・物が別の状態・物に変化すること。「戦況が―する」

 

● 根幹

 

物事の大もと。ねもと。中心となるもの。

「民主主義が近代社会の―をなしている」

 

 

この続きは、次回に。

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