P.F.ドラッカー 「仕事の哲学」⑮
DRUCKER SAYINGS ON INDIVIDUALS
第6章 知識労働者
知識労働者は、組織があって初めて働くことができる。
この点において彼らは従属的である。
しかし彼らは、生産手段すなわち知識を所有する。
—–『ポスト資本主義社会』
● 従属的
1. 権力や威力のあるものに依存して、それにつき従うこと。
「大国に―する」
2. 主要な事柄に対して、それに付随または支配される関係にあること。
「規約改正に―する諸手続き」
□ 知識労働者の責任
近代組織は、教育のある人たちをして知識を働かせ、収入しかも高額の
収入を得る機会をもたらした。しかしそこには、意思決定の責任が伴う。
自分が何でありたいか、何になりたいかについて責任を負わされる。
組織があるべきもの、なるべきものについても責任を負わされる。
—–『断絶の時代』
□ 個人と組織の関係
知識労働者は、自らをかつての弁護士、聖職者、医師、高級官僚の同類と
みなす。受けた教育は同じである。収入は多い。機会も大きい。
しかし、組織があって初めて所得と機会を得られることや、組織が巨額の
投資をして初めて自分の仕事もありうることを認識している。と同時に、
組織が自分に依存していることを認識している。
—-『断絶の時代』
□ 組織を成長の機会とせよ
組織が一人ひとりの人間に対して位置と役割を与えることを、当然の
こととしなければならない。
同時に、組織をして自己実現と成長の機会とすることを、当然のことと
しなければならない。
—–『断絶の時代』
□ 得られるものは自らが投じたものによる
人生から何を得るかを問い、得られるものは自らが投じたものによることを
知ったとき、人は人として成熟する。組織から何を得るかを問い、得られる
ものは自らが投じたものによることを知ったとき、人は人として自由となる。
——『断絶の時代』
この続きは、次回に。