P・F・ドラッカー「創造する経営者」⑦
(5) いかなるリーダーシップも、うつろいやすく短命である。
しかもリーダー的な地位といえども確固たるものとはなりえない。
業績をあげる場たる市場や資源たる知識は誰の専有物でもない。
したがって、いかなるリーダーシップも一時的な優位性にすぎない。
物理の世界と同じように、企業の世界においてもエネルギーは拡散する。
企業は、リーダー的な地位から、その他大勢の地位に簡単に落ち込む。
そして、その他大勢になるということは、限界的存在へと落ち込む道を
四分の三まで来たことを意味する。業績も、利益どころかせいぜい手数料
並みとなる。有能であるだけではそれが精一杯である。
そのような落ち込みから脱出することが、経営者の責務である。
そのためには、事業の焦点を、問題の解決にではなく機会に合わせな
ければならない。リーダーシップを再創造して、その他大勢への落ち込み
から反騰しなければならない。惰力に代えて、新しいエネルギーと方向性を
手にしなければならない。
次の(6)から(8)の仮説は、企業活動とそのコストに関するものである。
● 専有物
ひとりで所有すること。 ひとりじめ。
[基本例]「会社は役員だけの専有物ではない。」
● その他大勢
その他大勢(そのたおおぜい)とは、どのような意味でしょうか。
主となるもの、または何人か名前をあげた者のほかに大勢いること。
また、その人々。 演劇や映画などで、端役を演ずる者をいう。2021/02/09
この続きは、次回に。