P・F・ドラッカー「創造する経営者」㉟
(4) 開発製品
表5の製品Jがこの例である。まだ製品ではない。まったくの開発中では
ないまでも、市場に導入中のものである。見通しはわからない。
潜在成長力は期待される。
開発製品は、マネジメント、技術、販売・サービスの各部門で最高の人材を
割り当てられるべきである。しかし人数はごく少数にしなければならない。
とはいえ、現在あげている利益によって正当化されるよりは多くの人数を
割り当ててよい。
開発製品に関わる最大の問題は、それが何であり現在いかなる業績を
あげているかではない。それは、後述する最悪の製品たるマネジメントの
独善的製品になってしまうことのないようにすることである。
表5-ユニバーサル・プロダクツ社の製品分析—-暫定診断
製品名 診 断
A 今日の主力製品。近いうちに昨日の主力製品。
低落傾向。力の入れすぎ。
B マネジメントの独善的製品。力を抜くべし。
C 今日の主力製品。明日の主力製品としたり、市場にリーダー
シップをもたせるためには支援が不足。
D 明日の主力製品。だがシンデレラが年をとる前に王子は来るかが
問題。ことによると、眠っている製品とさえいえる。
力を入れていない。
E 必要な製品か? リーダーシップなし。見通し暗い。
ただし新主力製品の核となりうる。現在は非生産的特殊製品。
F “
G もう一つの独善的製品。
H 昔の製品。一昨日の主力製品。
I 開発中。製品化前。ユーザーの高速機器導入に伴いリーダー
シップをもつ製品となる可能性あり。
しかしわが社は市場を知らず。
この続きは、次回に。