『成しとげる力』⑤
○ 価値のないことは、いっそビリでもかまわない
すべてが一番でなくても、これはビリでいこう、というものがあっても
いい。そのぶん自分にとってもっと価値のあることに精力を注ぐべき
なのだ。
私はそのようにして人生を歩んできたという自負がある。
経営者として、企業を一番にすること、製品を品質、精度ともに世界一に
すること、市場のシェアも人材も、あらゆる面で一番になることをつねに
目標に置いて、走り続けてきた。
他者から学ぶことはもちろん大切だ。しかし、これぞと思うものは
自らの手で創り上げたいものだ。それこそが揺るぎのない自信となり、
一番になることに繋がっていくのである。
第2章 苦労に飛び込め! やがて人生は輝く
○ 大洪水のとき、なぜ「逃げるな」と命じたのか
○ 苦境のなかでこそ、人も会社も真価が問われる
人生も仕事も順風のときには、その人がもつ強さ、弱さの差は、見た
目ではほとんどわからない。しかし、その人間の真価が見えるのは
苦境に陥ったときである。苦しみから逃げ出そうとする者と、踏み
とどまって敢然と立ち向かう者との差は歴然である。
苦しい問題に正面からぶつかって解決した人には、必ず〝ご褒美〟が
あるようにできているのが世の中である。
その差たるや十倍どころではない。あとになれば百倍以上もの差が
つくのだ。
全力で逆風に立ち向かい、それを乗り越えたとき、私たちは大きな力を
つけて、輝かしい未来へとさらなる一歩を踏み出すことができるのだ。
○ 悪いことの次は必ずよいことがやってくる
自分の人生は何もよいことがなかった、辛いことばかりだったと嘆く
人が世の中には多い。しかし、それは間違っている。
人生は、よいことと悪いことが、五十対五十である。
どんな人でもきちんと調べたら、必ずそうなっているはずである。
だから、これまでの人生を振り返って、いいことより悪いことのほうが
多かったと思うのなら、喜ぶべきだ。
なぜなら、これから必ずや、すばらしい人生が待っているからだ。
この続きは、次回に。