『成しとげる力』⑪
○ リーダーは「千回言行」を実践せよ
物事を成しとげるのは、一人ではできない。目標が大きければ大きい
ほど、たくさんの人の協力を仰がなければならない。
そこで求められるのは、「訴える力」である。
部下や協力者の心をつかみ、士気を上げ、目標に向かってリーダーを
中心とした強固な団結をつくり上げる。そうしたリーダーがもつべき
「訴える力」とは、言葉だけではない。メンバー一人ひとりの心を
揺さぶり、突き動かす力。困難にも怯まず、先頭に立って飛び込む
勇気。人が嫌がることに率先して取り組む姿もまた、「訴える力」で
ある。
自分の情熱、理念、ビジョン、夢——-リーダーはそうしたものを
すべてのメンバーと共有するべく、訴え続けなければならない。
それも一度では足りない。聞く者の心に染み込み、魂を揺さぶるまで
何度も語り続けなければならないのだ。
人は目で見たり、耳で聞いただけでは動かない。自らの意思で行動する
ためには、その理由がしっかりと腑に落ちていなければならない。
もし一回行っただけで、全員の心を前向きにさせることができるのなら、
その人はカリスマである。しかし、そんなカリスマはめったにいない。
だから、千人全員に理解させるには、同じことを千回いわないといけ
ないのだ。
腑に落ちるまでいったか。納得するまで教えたか。何度も指導したか。
できるまでやらせたか。このしつこさが人間を変え、組織を変えていく
原動力となるのだ。
● 腑に落ちる
納得がいく。 合点がいく。
● 合点がいく
物事の事情がよく理解できる。 納得できる。
多く、打消を伴って用いられる。 がてんがいく。
この続きは、次回に。