『成しとげる力』㉗
エピローグ
○ 決めたことをきっちり守る私の習慣
私は何事に関しても、決めたことをきっちりと守るのが好きである。
○ 未来への新たな取り組みも始まっている
日々の働き方についても、創業期は夜中の十二時まで仕事をすると
決めていた。その後は、年齢が十歳上がるたびに一時間ずつ、終業
時間を早めるように心がけてきた。
いまでは社員と同じように、夜は早い時間に帰宅できるようになった。
家では古希の祝いに新設したトレーニングジムで汗を流し、早めに
寝るようにしている。おかげで、目覚めたときは爽快で、仕事の能率も
向上した。
思えば、これまでの人生も、自分で決めた道をきっちりと歩んできた
ように思う。
○ 母の教え、妻の協力あっての人生だった
これまで本書で述べてきた私の哲学、考え方は、もとをたどればほぼ
すべてが母からの教えである。「一番をめざしなさい」「一番以外は
ビリである」などというのも、小さい頃から幾度となく母から聞かされ
たことである。一番を目指せといつも鼓舞し続けてくれたおかげで、
努力の大切さも身に染みてわかった。
「お前は天才ではない、凡人なのだから、成功したいのなら、人の何倍も
努力をしなさい」ともいわれた。私が一年三百六十五日働くのは、自分を
凡人だと信じているからである。
「努力は絶対に人を裏切らない」という信念も、母親の背中を見て
学んだものである。人は裏切ることがある。
国家も裏切ることがあるが、自らの努力だけは必ず報いてくれる。
それだけに努力を怠ってはならないということだ。
人生はよいことがあれば悪いこともあるサインカーブであり、全部
足せば、プラスマイナスゼロになるというのも、小さい頃から母に
聞かされた話であった。だからこそ努力を重ねれば、それだけ喜びも
やってくる。振幅の大きい人生になるのだ。母の教えのおかけで、
私も振幅の大きい、波瀾万丈でおもしろい人生を送ることができて
いる。
この続きは、次回に。