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シニアアカデミー「レディス&ジェントルマン」世田谷校㉝

今回は、「高齢者のうつ病」について、

 

2024年6月26日日経新聞「シニアサポーター 高齢者のうつ病、どう予防」の記事が

掲載されておりました。

参考のために、「うつ病とは」を含めて、ご紹介させていただきます。

 

「うつ病」とは、日常生活に強い影響が出るほどの気分の落ち込みが続いたり、何事にも

意欲や喜びを持ったりすることができなくなる病気です。社会生活を送るうえで、悲しい

ことや不快なことへの遭遇を完全に避けることはできません。そのため、悲しく気分が

落ち込む・やる気が起こらないといった状態になることは誰にでもあることです。

一方、うつ病の場合は悲しみの誘因となる出来事がはっきりしなかったり、誘因があった

としても、通常その出来事に対する心的な反応と予測される状態よりはるかに強い症状が

引き起こされたりします。また、仕事や日常生活に支障をきたすほど強い症状が現れる

のもうつ病の特徴です。

 


 

高齢者のうつ病、社会とつながり孤立感解消で予防

シニアサポーター

シニアサポーター

2024年6月26日 5:00 [会員限定記事]

 

70代女性です。最近、眠れない日が続いていて食欲もありません。気持ちの落ち込みが

あり、趣味も楽しめなくなっています。持病や年のせいではないかと思うのですが、

高齢者のうつ病も多いと聞きます。受診すればよいのか、予防法もあれば知りたいです。

神奈川県川崎市在住の女性(74歳)は腹部の違和感が続いていた。内科で精密検査を

受けても異常が見つからず、心療内科の受診を勧められた。女性は初診時、「おなかが

苦しい…

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 サブタイトルは、

 

 ・ 孤立感解消へ社会と接点を

 ・ 家族の心のケアも不可欠

 

それでは、記事の内容を一部、ピックアップにてご紹介致しましょう。


 

□ 喪失体験が重なり発症

 

・訪問診療や福祉サービスを利用した結果、気持ちの落ち込みや不安感は改善し

    体の症状も和らいだ。

・高齢者のうつ病は加齢による脳の変化に心理的・社会的孤立が加わり、変化への

    適応が困難になることで発症する。

 「順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック(埼玉県越谷市)馬場元教授。

・高齢者は家族や友人を失ってしまうなどの喪失体験や加齢による体調の変化、

    経済面の不安からストレスを受けやすい。

・喪失を伴う変化が重なって起きるほど、うつ病になるリスクは高まる。

 「長谷川診療所(川崎市)長谷川洋院長」

・うつ病は気分の落ち込みや意欲の低下といった精神症状が持続することで知られて

 いるが、高齢者は健康を害する不安や焦燥感が引き金となり頭痛やめまいといった

 身体の不調が目立つ特徴がある。内科や耳鼻科で検査をして異常が見つからない場合

 にうつ病が疑われるため、治療を始めるまでに時間がかかるケースが多い。

 

□ 認知症と似た症状も

 

・今までできたことができなくなり、生活に支障が出るといった認知症と紛らわしい

 症状にも注意が必要だ。

・認知症はもの忘れの自覚が乏しいが、うつ病は自覚が強く本人が気にしている場合が

 多いなどの違いがある。

・存在しないものが見える幻視が特徴的な「レビー小体型認知症」の初期症状理の例も

 あるという。

・うつ病の初期症状にはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)など抗うつ薬の効果

 が見込める。ただ、抗うつ薬は飲み始めに食欲不振や吐き気などの副作用が出る一方、

 効果が現れるまでに2週間程度かかる。「効果が出ないと服薬をやめてしまう人が

 いるが、飲み続ける必要がある」(長谷川院長)

 

□ 無理のない範囲で

 

・うつ病の予防には規則的に食事を取って運動習慣を付け、社会とのつながりを

 保つのが効果的だ。

・趣味や地域のサークル活動に参加し、定期的に人と交流することがうつ病に

 かかるリスクの軽減につながる。

・太陽の光を浴びながらの散歩や、気分転換になりそうな趣味をやってみるのも

 お勧めだ。

・「毎日絶対にやらなくてはいけない」と思うのではなく、無理のない範囲で

 するのが大切だ。

・家族が電話して心理的な孤立を防ぐのもいいが、本人だけでなく家族の心のケアも

 欠かせない。

・うつ病は誰でもなる可能性があるが、適切な治療と服薬で改善が見込まれる。

 体の症状があって病院に行っても「異常がない」と言われた場合、背景にうつ病の

 可能性がある。治療を受ける中で薬の副作用が気になる時や気分が塞ぎ込んでいる

 際は専門医に相談しよう。

 

(萩野愛)


 

□ うつ病のリスクを減らすには

 

  1. 趣味や地域のサークル活動への参加

  2. 太陽の光を浴びながら散歩

  3. 家族に電話してもらう

                                    (注) 取材に基づき作成

 

□ 高齢者のうつ病と認知症の見分け方

 

○ 初期の症状

 

・高齢者うつ—–食欲低下や不眠など身体的不調

 認知症(アルツハイマー型、レビー小体型)—-物忘れなど記憶障害

 

○ 症状の進行

 

・高齢者うつ—発症後、短期間に様々な症状

 認知症(アルツハイマー型、レビー小体型)—時間をかけて徐々に進行

 

○ もの忘れ

 

・高齢者うつ—-自覚があり、過剰に気にしている

 認知症(アルツハイマー型、レビー小体型)—自覚が乏しい

 

□ 受け答えの仕方

 

・高齢者うつ—-反応が遅くなり、答えられないことも

 認知症(アルツハイマー型、レビー小体型)—あまり深く考えず、その場しのぎな答えも

 

□ 行動

 

・高齢者うつ—-やりたいと思っているが、できない

 認知症(アルツハイマー型、レビー小体型)—やる気そのものがなく、やらない

 

                        (注) 取材に基づき作成


 

「精神科・心療内科 川崎メンタルクリニック」のホームページより、抜粋—

 

高齢者のうつ病について

 

症状

 

気分が塞ぎ込む、引きこもって外に出られない、興味や喜びを感じない、食欲がわかない、

よく眠れない、身体がだるい、物事に集中出来ない、物忘れ、妄想 など。

 

○ 誘因

 

身体疾患——-高血圧、脳の病気、心筋梗塞、糖尿病、慢性関節リウマチ、癌 など

環境の変化—-仕事からの引退、転居、子供の独立、配偶者や親しい人との死別、

                           財産の消失などの喪失感

 

治療

 

一般的な抗うつ剤治療では、副作用(足がふらつく、手が震える、呂律が回らない、

喉がつかえる など)が出やすいので、慎重な薬物治療が必要となります。


 

□ 老人性うつの治し方は?

 

老人性うつの治療は、薬物療法、精神療法、環境調整の3つが軸となります。

薬物療法は、老人性うつに限らずその人にあった抗うつ剤などを服用して経過を

見ます。しかし、高齢者の場合は他の服用中の薬との相性などを考慮する必要が

あるため、人によっては他の方法で治療を進めていくことも多いです。2020/04/22

 

□ 老年期のうつ病の特徴はどれか?

 

○ ご高齢者のうつ病の主な特徴

・「症状がそろっていないうつ病」の頻度が高く、見逃されやすい。

・悲哀の訴えが少なく、気分の落ち込みやうつ思考が目立たない。

・意欲や集中力の低下、認知機能の低下がみられることが多い。

・身体的な不調(疲労感、めまい、不眠、食欲低下、痛みなど)を訴える場合が多い。

 2018/02/28


 

以上のように、「うつ病は誰でもなる可能性がある」ということを「肝に銘じ」て、

   1. 趣味や地域のサークル活動への参加。

   2. 太陽の光を浴びながら散歩。

   3. 家族に電話してもらう。            を心がけたいものです。

 

「健康第一」。働けるうちは働き、社会との関わりを実践したいと思います。

 

 

2024年7月6日

シニアアカデミー 「レディス&ジェントルマン」

事務局長 齊藤 弘美

 

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