お問い合せ

「小さいことにくよくよするな! 」⑳

43. 人類学者になってみる

 

人類学は人類とその起源についての学問だ。しかし、この本では人類学とは「ほかの

人たちの生き方や行動を、批判せず興味をもって見つめること」と定義しなおそう。

この戦略は、人にたいする思いやりと忍耐力を増すのが目的だ。だが、それ以上に、

人の行動に興味をもつのは、批判するかわりに思いやりと理解を示すことでもある。

だれかの反応の仕方や感じ方に純粋な好奇心をもつと、それにイライラさせられずに

すむ。その意味で、人類学者になるということは他人の行動に不満を感じなくなる

手段だ。

人が奇妙な行動をとったとき、いつものように「あんなことするなんて信じられない」

と反応するかわりに、「そうか、あれが彼女(または彼)のものの見方なんだ、」

おもしろいなあ」と心の中で言う。

この戦略を身につけるには、まずあなたが純粋な気持ちになる必要がある。

「人に興味をもつ」ことと「放漫になる」ことは紙一重。内心で相手とくらべて自分の

ほうが上だと考えると放漫になってしまう。

 

(中略)

 

人の生き方に興味をもつといっても、それを擁護することとはちがう。私はパンク・

ロッカーの生き方を選ばないし、人にそれをすすめるつもりもない。しかし同時に

それを批判する立場にもいない。

人を批判するのはものすごいエネルギーを消費するうえに、楽しく生きるという目標

からあなたを遠ざける作用しか果たさない。

 

44. 人はそれぞれにちがうことを理解する

 

人の行動に興味をもつという話とはべつに、人はそれぞれちがうことについて考えて

みよう。

 

(中略)

 

世界にたいする見方もそれぞれちがうのが当たり前。

そのちがいをがまんするのではなく、それ以外にはありえないという事実を理解して、

敬意をもつことが大切だ。

私は、この基本線を理解することで人生が変わる例を見てきた。確実に争いが減るのだ。

同じことにたいして他人がちがう行動を取り、ちがう反応をするのが当たり前だと考え

るようになると、自分自身や他人にたいして思いもよらないほど共感できるようになる。

その反応だと争いのタネは消えない。

私たちはそれぞれちがうんだ、という事実を深く考えて尊重することをおすすめする。

そうすれば他人にたいする愛情と自分という唯一無二の人間を認める気持ちは、いま

よりずっと深まるだろう。

 

○ 唯一無二

 

他にはなくただ一つであること。 二つとはないこと。 「唯一」と「無二」とは、

同じ意味の言葉で、それを重ねて強調したもの。


 

この続きは、次回に。

 

2025年6月11日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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