お問い合せ

「小さいことにくよくよするな! 」㉚

64. 台風の目に入る練習をする

 

台風、竜巻、ハリケーンの目は、外側に暴風が渦巻いているときもそこだけ静かだ。

周囲は荒れくるっているのに、中心部は穏やか。私たちも台風の目のように混乱のただ

中で落ち着いていられたらどんなにいいだろう。

驚くかもしれないが、「人間台風」の目の中に入るのは想像するよりずっとやさしい。

必要なのは、その意思と練習だけだ。

 

(中略)

 

わいわいもめるその場で、ただ一人の穏やかで落ち着いた人になろうと心に決める。

まずは呼吸の練習だ。人の話を聞く練習もできる。相手に勝ちをゆずる喜びを味わう

こともできる。つまり、決心しだいでそれができるのだ。

 

(中略)

 

これが身につけば、人生のもっと困難な場面—-ケンカ、試練、悲嘆—でも訓練できる

ことができるようになる。

一度でもうまくいき、それを続けていけば、台風の目の中で暮らしていくコツがわかる

ようになる。

 

65. 予定の変更にあわせない

 

いったんなにか計画すると、取りやめたり状況に応じて変更するのはいやだという気に

なる。成功するには、またはある企画を成功させるには忍耐が必要なことはたしかだ。

しかし、それと同時にガチガチの計画をたてると大きなストレスになるうえ、いらだっ

たりして人にやさしくできなくなる。

 

(中略)

 

計画が変更になったときは不満を感じて当たり前だとつい思ってしまう。だが、それは

優先順位の問題だ。

 

(中略)

 

当然ながら、かたくなさより融通性を優先させるほうが(むろん例外はあるにしても)

心が穏やかになれる。

それと、計画には多少の変更はつきものだと考えていると楽になることもわかった。

最初から融通性をもたせていれば、いざというときあわてたり怒ったりしなくてすむ。

計画や目標に余裕をもたせると、幾つかのすてきなことが起きてくる。気が楽になって

くるうえに能率は下がらないのだ。あわてたり心配しないぶんだけ、能率が上がること

もある。

私は計画を少し(あるいは完全に)変更せざるをえないときも、締め切りを守り、目標を

ほとんど達成して責任を果たせるという自信がついた。そうなると周りの人たちもピリ

ピリしないでリラックスできる。あなたの計画を邪魔してはいけないと、卵の殻を踏む

ような思いをしなくてすむからだ。

 

66. ほしいものよりもっているものを意識する

 

私はストレス・コンサルタントとして数十年やってきたが、クライエントについてもっ

とも気になるのは、もっているものよりほしいもののことばかり思い浮かべる傾向だ。

すでに多くのものをもっているにもかかわらず、欲望のリストはふくらむ一方。

「これが手に入れば幸せなのに」といった、もっともっとという欲望は、それが手に

入ったあとも繰り返され、いつまでたっても満足することがない。

 

(中略)

 

彼だけではなく、私たちの大半は同じことをやっている。あれがほしい、これがほしい。

それが手に入らないとなると、そのことばかり思い浮かべて—-不満が消えない。

それが手に入れば入ったで、また同じことを考えるだけだ。だから、ほしいものが手に

入ったのに、まだ不幸せのまま、何か新しいものに憧れつづけるかぎりは幸せはやって

こない。

 

幸いにも、幸せになる道はある。ほしいものではなく、もっているものに意識を切り

替えるのがその鍵だ。

 

(中略)

 

「人生がこんなじゃなかったら」という罠に落ち込むたびに、一歩下がって最初から

やり直すのだ。

まず深呼吸して、いまもっているものをすべて思い出してみる。ほしいものではなく

もっているものに意識を向けると、ほしいものは自然に向こうからやってくる。

 

(中略)

 

ほしいものではなくもっているものに意識を切り替えれば、人生は前よりずっと楽しく

なる。おそらく生まれてはじめて満足するという意味がわかるだろう。


 

この続きは、次回に。

 

2025年7月9日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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